蓄電池・太陽熱利用でレジリエンス強化 「ZEH+」住宅補助金、3次募集
環境共創イニシアチブ(SII/東京都中央区)は2019年度ZEH補助金のうち、蓄電システムや太陽熱利用温水システムにより停電時のレジリエンスを強化した「ZEH+」を満たす住宅を支援する補助金の3次公募について、10月2日時点の申請状況を公表した。到着件数は273件、予算残額は1.3億円となった。
3次公募の事業規模は約5億円。公募期間は10月11日17時まで。最終交付決定日は10月31日を予定している。
事業名は、経済産業省の「平成31年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを活用したレジリエンス強化事業費補助金(ZEH+R強化事業)」。この事業は、防災・減災に向けた国土のレジリエンス(強靭化)強化を目的に、ZEH+を活用して、停電時に、太陽光発電により住宅内の電力を確保し、太陽熱利用温水システムによる太陽光エネルギーの夜間有効活用や、蓄電システムによる夜間の電力利用等の措置を講じる住宅を支援するもの。
概要は以下の通り。
「ZEH+」「レジリエンス強化」に係る要件を満たす住宅
申請できるのは、新築戸建住宅の建築主、新築戸建建売住宅の購入予定者、既存戸建住宅の所有者。対象の住宅の条件は下記の通り。
- 申請者が常時居住する住宅
- 専用住宅であること
- 既存戸建住宅の場合は、申請時に申請者自身が所有していること
- 新築戸建建売住宅の場合は、申請者は建売住宅の購入予定者であること
- 賃貸住宅・集合住宅は対象外
交付要件は「ZEH+に係る要件」と「レジリエンス強化に係る要件」がある。「ZEH+に係る要件」は、「ZEH+」を満たすことや、ZEHビルダー/プランナーが関わること、また、「住宅の外皮性能」「HEMS(家庭用エネルギーシステム)」「電気自動車用充電設備」に係る3つの条件のうち2つ以上を選択導入すること、などがあげられている。主な「レジリエンス強化に係る要件」は次の通り。
- 「主たる居室に非常用コンセントを設置する」か「停電時も住宅内の通常回路に電力供給できる」
- 蓄電システム(蓄電容量4kWh以上)か、「自立制御電源を確保した太陽熱利用温水システム」を導入する(※両方でもよい)
- 請負会社などから引渡しを受ける際にレジリエンス機能の説明や訓練等を受ける
詳細はSIIウェブサイト内の資料を参照のこと。
蓄電池と太陽熱利用温水システムで加算
補助は定額で、125万円/戸。交付要件を満たす場合に限り、Nearly ZEH+も同額の補助金額とする。また、蓄電システム(定置型)を設置する場合、1~2万円/kWhを加算する。蓄電システムの補助額上限は、補助対象経費の1/3または30万円のいずれか低い金額。
また、補助対象住宅に太陽熱利用温水システムを導入する場合、次の金額を加算する。
- 液体式システム パネル面積4m2以上:17万円/戸
- 空気式システム パネル面積122以上:60万円/戸
募集期間中でも、補助事業の申請金額の合計が予算に達した日の前日をもって公募を終了し、予算に達した日以降に到着した申請分は、原則受理しない。