皆さんはビヨンド・ゼロという言葉をご存知でしょうか?
世界のカーボンニュートラル、さらには過去のストックベースでのCO2削減(ビヨンド・ゼロ)を可能とする革新的技術を2050年までに確立することを日本も世界も目指しています。
今回はビヨンド・ゼロに関してご紹介していきます。
ビヨンド・ゼロを実現する技術革新へ 政府の新戦略が決定
政府は1月21日、統合イノベーション戦略推進会議(第6回)で、エネルギー・環境分野における技術革新で、日本と世界のCO2排出削減を目指す「革新的環境イノベーション戦略」を決定した。
5分野・16課題のアクションプランなど
この戦略は、2050年までの確立を目指す革新技術について、具体的な行動計画(5分野16課題)を示した「イノベーション・アクションプラン」、それを実現するための研究体制や投資促進策を示した「アクセラレーションプラン」、社会実装に向けて、世界に広めていく「ゼロエミッション・イニシアティブズ」で構成される。
電力供給に加え、水素・カーボンリサイクルを通じ全ての分野で貢献する非化石エネルギー
再生可能エネルギー導入に不可欠な蓄電池を含むエネルギーネットワーク
運輸、産業、発電など様々な分野で活用可能な水素
CO2の大幅削減に不可欠なカーボンリサイクル、CCUS(炭素の回収・利用・貯留)
世界GHG排出量の1/4を占める農林水産分野
の5つをあげられます。
エネルギー転換では、新たな素材や構造による太陽光発電の実現や、低コストな水素サプライチェーンの構築、低コストなCO2分離回収技術の確立などにより、世界全体における温室効果ガス約300億トン以上削減できると試算している。
「アクセラレーションプラン」では、ゼロエミッション国際共同研究センターの新設や、ESG投資の拡大等を踏まえた民間投資の増大を推進するための取り組みについてまとめている。
環境・エネルギーの技術革新に10年間で30兆円を投資
菅義偉官房長官は、1月21日の記者会見で、「革新的環境イノベーション戦略」について、ゼロエミッション国際共同研究センターのもと、CO2の排出以上の削減を可能とする「ビヨンド・ゼロ」を目指すことを決定したと紹介した。
安倍晋三首相は、2019年10月に総理大臣官邸で開催した「グリーンイノベーション・サミット」で、気候変動問題の解決に向け、環境・エネルギー分野の技術革新に取り組んでいくため、世界有数の国立研究機関等と共同で研究を行う拠点を立ち上げること、また、「革新的環境イノベーション戦略」を策定し、環境・エネルギー分野に、10年間で30兆円の官民の研究開発投資を目指すことを表明している。
その拠点となる「ゼロエミッション国際共同研究センター」は、産業技術総合研究所(産総研/東京都千代田区)が1月末に設立、研究センター長には、2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野 彰博士(旭化成名誉フェロー)が就任することが発表されている。
まとめ
今回はビヨンド・ゼロに関してご紹介しました。前回はゼロエミッションに関してもご紹介を行いました。皆さんもこのように世界の中で活用されているキーワードに注目しながら情報を集めていくと、世界の動向と同時に他社よりも先だって行動を起こすチャンスもつかみやすいのではないでしょうか?