エアコンや空調機器のフロンガス入れ替え工事を行うことで、現在のエアコン・空調の省エネ率を高めることができる提案は当社もよく行っています。実際にフロンガス入れ替え工事によりエアコン稼働率が大幅に改善され、使用電気代も大幅に削減できている事例は多く存在しています。しかし、最近このエアコンや空調機器のフロンガス入れ替え工事について、行政からの勧告の呈で連絡をしてくる事例が増えてきています。(いわゆる詐欺になります。)このような事案に、いつ自社が巻き込まれるか分からない状況を考えると自洗知識をつけておいた方がいいことは間違いありません。今回のブログは、このエアコンや空調機器のフロンガス入れ替え工事詐欺について、ご紹介していきたいと思います。
エアコンや空調機器のフロンガス入れ替え詐欺とは!?
神奈川県は3月9日、経済産業省・環境省の指示を騙る、エアーコンディショナーに充塡されているフロン類の入れ替えを勧誘する事例について、両省、また、同県とも一切関係なく、指示もしていないとして、注意を喚起しました。最近、冷凍空調機器のフロンの入れ替え、機器の点検調査を勧誘する事例があるとの情報があり、経済産業省・環境省も注意を呼びかけています。
具体的な事例
「環境省・経済産業省の指示により、エアコンに使用されているフロン類の入れ替えが必要だ」として、現在使っているエアコンに充塡されているフロン類の入れ替えを勧誘する事例が発生しています。「環境省・経済産業省の指示により、エアコンの点検調査に来た」として、点検契約を結ぼうとするのです。
経済産業省と環境省は、現在使用されているエアコンに冷媒として充填されているフロン類を、フロン類以外のものに入れ替えるよう指示していることはなく、また、機器の点検調査を事業者に委託していることはないと説明しています。また、今回、この事例が起きた背景となる法について以下のように解説しています。
フロン類の一種の生産と消費を2020年までに全廃
フロン類の一種、R-22などのHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)については、オゾン層保護法に基づき、2020年までにその生産と消費(生産+輸入-輸出)を全廃することとされています。しかし、あくまで生産や輸出入を規制するものであり、現在使用されているエアコンや冷凍冷蔵機器のフロン類を、2020年までにフロン類以外のものに入れ替えるよう規定しているものではありません。
冷媒フロン類の管理の適正化等を要請
フロン排出抑制法等では、メーカーに対してノンフロン・低GWP(温暖化係数)製品を製造するよう促すこととされており、業務用冷凍冷蔵・空調機器の使用者に対しては、冷媒フロン類の漏えい防止などの管理の適正化を求め、機器の点検等が義務づけられています。しかし、現在使用されているエアコンや冷凍冷蔵機器のフロン類を、フロン類以外のものに入れ替える、または、これらの機器を取り替えるように規制するものではありません。
指定以外の冷媒の使用は危険
また、指定以外の冷媒を封入することに関しては、日本冷凍空調工業会(東京都千代田区)から注意喚起が行われています。(環境省は、あわせて参照にするよう呼びかけています。)
日本冷凍空調工業会は、指定された以外の冷媒、例えばハイドロカーボン(HC)系のノンフロン自然冷媒を封入した場合、故障・誤作動などの不具合や事故などの原因となり、海外では、これに起因した爆発や火災の事故が発生していると報告しています。
まとめ
当社としてもエアコン・空調機器のフロンガス入れ替え工事は悪いとは思わないのですが、これを行政主導による義務として推進されることは違和感を感じます。このような詐欺まがいの手口に振り回されないように知識をつけておくことが重要と言えます。