前回、LED照明のメリット、デメリットや活用事例を紹介してきました。
LED照明って、名前はよく聞くけどなにが違うの・・・?
今までこのように感じられていた方も、LED照明にどのようなメリットがあり、なぜ活用されることが多いのかご理解いただけたのではないかと思います。
では、そんなLED照明は今後どのような状況になっていくことが予想されているでしょうか?
今回はLED照明の今後について紹介していきたいと思います。
LED照明の市場動向
LED照明の市場が今後どうなっていくのか・・・。
結論から言ってしまえば、LED照明市場は今後も拡大していくことが予測されています。
一般家庭用、店舗事務所、産業用、 etc.
なぜこのような予測が考えられるのでしょうか?
省エネ市場の拡大
COP21で採択されたパリ協定を受けて日本では今年5月に「地球温暖化対策計画」が閣議決定されました。
2020年に温室ガスを2005年比3.8%減以上、2030年に2013年比26%減、2050年までに80%減の長期目標を達成するため、経産省と環境省が具体策を検討しているのです。
なお、地球温暖化対策計画では、2030年の削減目標達成に向けて、民生部門のエネルギー起源のCO2の排出量を約40%削減する必要があるとされています。
この高い削減目標を達成するためにはどうすればいいのでしょうか・・・?
ここで現在考えられている施策としては、民生部門の削減対策として住宅や建築物の断熱性の向上など、建物自体の省エネを進める一方、家庭やオフィス、工場などでLED等の高効率照明を2030年度までにストックで100%導入する目標が掲げられています。
これらのことからLED照明を含めた省エネ市場が今後も拡大していくことが考えられています。
条約による規制強化
また省エネ環境の拡大とともに、それに関連する条約規制も広がっています。
国連環境計画の外交会議で、水銀による汚染防止の対策に向けた「水銀に関する水俣条約」が2013年10月に採択されました。
この条約により、水銀を使った製品の製造・輸出・輸入が2020年に原則禁止され、今後水銀を使用した「水銀灯ランプ」などが規制されます。
この規制に伴い、大手照明メーカーも水銀灯の生産を既に停止しているところが増えてきているのです。
このような現状から、今までの水銀灯照明は変更をしていかないといけない状況にあるケースが多く、且つ、LED照明は普及をしていかなければならない状況にあるのです。
この状況で今後LED照明が普及しないと考える方が難しいですよね。
LED照明のこれから
このような明るいニュースが多いLED市場は今後も拡大が予測されています。
但し、現状では市場推移は横ばいになっている状況が見受けられます。
拡大市場なのになぜ・・・?
このように思われる方もいるかと思います。
この原因と考えられているのが低価格化です。
これまでLED市場では、1990年代後半に白色LEDを開発した日本メーカーが世界のトップランナーとして君臨してきたが、昨今は中国メーカーが低価格攻勢を仕掛けて勢力を強めてきています。
その影響から、2015年には白色LEDパッケージの単価が大幅に下落してきています。
又、LEDパッケージ市場において白色LEDパッケージが占める割合は大きいため、市場全体の低価格化を引き起こしているのです。
つまり、需要は増え続けているにも関わらず、市場が停滞してしまっている状態にあると言えます。
今後も価格競争に陥れば、いずれは食い合いになってジリ貧になっていってしまいます。
そうならないためにも日本メーカーはLED照明のパイオニアとして、創意と工夫によって価格以外の強みを打ち出していく必要が出てきていると言えます。
まとめ
LED照明は市場が拡大することが予測されているにも関わらず、横ばいになっている状況にあります。
この状況を打開することが今後のLED業界にとっての課題となってきます。
2020年までにどれだけ市場が動くか?
皆さまもそういった観点でLED照明を見てみると面白いかと思います。