皆さま、今回のブログテーマは前回に引き続きZEBやZEHについて紹介していきたいと思います。
・・・ZEBやZEHの内容は覚えていますか?
過去のブログを遡ってもらえれば掲載してありますが、ZEB(ゼブ)とはゼロ・エネルギー・ビル、そしてZEH(ゼッチ)とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのことを指し、建物の運用段階でエネルギー効率を高めることで、省エネ建築物や省エネ環境を実現していく考え方になります。
とても素晴らしい考えですね。
特に省エネの推進が叫ばれている昨今においては、拡大していく考え方になるのではないかと思います。
では、そんなZEBやZEHが拡大していくにあたってどのようなことが課題をなるのでしょうか?
今回はZEBやZEHの拡大のなかで起きてくる課題点について紹介していきたいと思います。
ZEB・ZEHの懸念点
ZEBやZEHの実現についてどのようなことが課題になってくるでしょうか?
法規制、技術面、導入資金面・・・。
色々ありそうですね。
まずは今後予想される課題について紹介したいと思います。
〇運用も含めたトータル・システムの建築
ZEBやZEHを実現するためには、それを運用するシステムの存在が必要になります。
これの実現だけでもかなりの労力が必要となることが予想されます。
例えば、様々な省エネ建築技術を総合設計する必要もありますし、またそれらを運用段階で 統合制御する技術も必要になります。
これには建築・設計技術の進歩が必要不可欠になります。
ちなみに現時点の最新技術で実現している運用システムでも5割程度の省エネ運用が可能とされていますが、まだまだ技術発展が必要な分野は多く、競争による技術進歩と、導入事例の増加によるコスト低減を図ることが必要になってきます。
技術発展が必要な分野は以下などが代表的なものになります。
・パッシブ建築の最適導入(外気を利用した夜間冷房など)
・天気変化に即応するブラインドと照明
・昼光利用に伴う冷房負荷増大も加味したブラインド
・照明
・空調の最適統合制御
・セキュリティー情報(人の入退室情報)を活用した照明
・空調
・OA機器制御
このように書くとまだまだ先が長そうですね。
〇エネルギーの面的利用
ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を実現するためには、複数のビル群のネットワーク化も重要な課題になります。
複数のビル間で発生するエネルギーについて有効利用を行っていくのです。
個人個人の取り組みだけではなく、社会全体として取り組んでいかなければならない課題ということが出来ますね。
〇都市の未利用エネルギーの活用
都市部ではまだまだ有効活用しきれていないエネルギーが数多く存在します。
河川熱や下水熱などのヒートポンプ利用などがそれにあたります。
こういったエネルギーを活用していくことも省エネ社会の実現のためには必要な要素になります。
〇テナントビル(オーナーとテナントのインセンティブ乖離)
当然のことですが、ビルの賃借人は建物自体について工事や設備投資をすることはないかと思います。
それはオーナーの役割でしょ・・・。
そういった反応になることが通常かと思います。
ただ、ZEBやZEHを実現していくことを目指すのであれば、そのようなオーナー側、テナント側などの考え方は捨てなければなりません。
なぜならテナントで入っている賃借人(利用者)の方が、オーナーよりも具体的な省エネ改善を思いつくことが多くあるためです。
やはり普段使っているなかで考えつくことも多いのですね。
自社ビルではないからの思い切った省エネ設計が難しい・・・。
このような考え方を出来る限り減らしていくことが必要になります。
〇標準化
統合制御を可能とするための設備・機器間のインターフェースやデータ仕様の標準化を行っていく必要があります。
誰もが実践できる設備が整っており、導入コストも抑えることが出来ていなければ、やはり一般に広まっていくことは難しいです。
ZEBやZEHを実現していく設備や環境が標準化していく社会を実現していくことが必要になります。
まとめ
如何でしょうか?
前途多難・・・。
そのように感じた方もいらっしゃるかと思います。
しかし、数年前の時代に生きた方々が今の我々を見れば、当時はこのような技術発展を実現出来ると思っていなかったと考えていた科学者が多くいるように、昨今の技術発展は目まぐるしいものがあります。
今は途方もなく感じるZEBやZEHであっても、数年後に振り返ってみれば当たり前になっていることも多くあるのではないかと思います。
そのような時代の流れについていくことが重