前回電気代がどういった仕組みで決められているのか紹介しました。
企業での電気代は1年のなかでたった30分でも高い月があれば、その最も高い時の電気使用量が1年間の基本料金になる。
この仕組みを知らずに今まで無駄な電気代を支払うことになっていた方もいるのではないでしょうか?
今回は前回の続きで電気代がどういった仕組みで決まっているのかを紹介したいと思います。
又、どういった仕組みで今後の電気代が上がっていくことになるかも併せて紹介していきたいと思います。
これを機会に電気代の見直しをできるといいですね。
電気代がなぜ上がるのか?
皆さまが使っている電気代が毎年上がっていることはご存知だったでしょうか?
それは家庭・・・? 会社・・・?
どちらとも上がっています。
ではどういった理由で電気代が年々上がっているのでしょうか?
毎月支払っている電気代の項目のなかに「再エネ賦課金」というものがあります。
この「再エネ賦課金」が上がることによって、使用量が同じであっても電気代が値上がりします。
ところが、「再エネ賦課金」についてよく知らない、という人も少なくありません。「再エネ賦課金」とは、どのようなものなのでしょうか?
再エネ徴課金とは
前回も紹介した内容ですが、電気料金は、「基本料金」と「電力量料金」、「燃料費調整額」そして「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(再エネ賦課金)の4つからなっています。
基本料金は、契約しているアンペア数によって毎月かかる固定料金です。
関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力の家庭向けプランでは、アンペア数による基本料金ではなく、使用量が極小さくても一定の料金がかかる最低料金という形態になっています。
一方、電力量料金とは実際に使った分の電気代です。
1kWhあたりの単価が決められていて、それに使用電力量をかけて求める形式をとっている電力会社が多いです。
つまり、使用電力量が多いほど、電力量料金は高くなります。
また、電気を作り出す原料は輸入に頼っている部分も大きいため、電気料金は為替レートの影響を受けます。
「燃料費調整額」とは、為替レートや市場の変動を考慮して、電気料金を決めるための調整部分です。
このあたりは前回お伝えした内容と同じになります。
では、「再エネ賦課金」とは、どんなものなのでしょうか?
今後電気代が上がるのは、この「再エネ賦課金」の単価が値上げになるためです。
「再エネ賦課金」は、1kWhあたりの「再エネ賦課金」単価に使用電力量をかけて求めます。
2017年度の「再エネ賦課金」単価は2.64円/kWhでしたが、2018年度から2.90円/kWhに値上げされることが決まっています。
すなわち、基本料金や使用電力量がまったく変わらなくとも、確実に電気料金が上がることになります。
再エネ賦課金ってどんなもの?
「再エネ賦課金」とは、正しくは再生可能エネルギー発電促進賦課金といい、その詳細は2012年に施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」によって定められています。
簡単にいうと、再生可能エネルギーを電気事業者が一定の価格で買い取るために消費者からお金を集める制度です。
太陽光発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーは、一度設置すると繰り返し発電することが可能であり、石油やLNGなどのエネルギー資源に乏しい日本にとって、その普及は急務です。
再生可能エネルギーによって生み出された電気を、電気事業者が固定価格で買い取るということを国が約束することで、再生可能エネルギーの安定的な発展が期待できます。
再生可能エネルギーによる発電が普及し、エネルギー自給率が向上すると、化石燃料への依存度が下がることから電気料金の変動を抑えることができます。
このことは、すべての電気利用者にメリットがあるという考えのもと、電気事業者が再生可能エネルギーを買い取るための費用は、電気の利用者が負担することになっているのです。
この負担分が「再エネ賦課金」です。
「再エネ賦課金」は単価×月の電気使用量で金額が決まります。
その単価は、毎年度経済産業大臣が全電力会社一律の額で決めることになっています。
法律が施行された2012年度の買取費用は2500億円程度で、「再エネ賦課金」の単価は0.22円/kWhでした。
ところが、2016年度には買取費用が2兆3000億円に達して単価は2.25円/kWhとなり、2017年度にはついに2.64円/kWhにまで上昇しました。
さらに2018年5月からは、2.90円/kWhに値上げされます。
経済産業省によると、2030年には買取費用は4兆円規模に達する見込みで、「再エネ賦課金」の単価も4~5円にまで上昇する可能性があります。
一般家庭であればそれ程金額が大きくなりませんが企業であればこれが大きく関わってくるのです。
まとめ
このような形で電気代が今後も上がっていくものとされています。
新電力を活用したり、省エネ設備を導入したり様々な形で対策があると思います。
是非電気代の仕組みを理解した上で省エネに取り組んでみるといいかと思います。