太陽光発電の電力固定買取制度を覚えていますでしょうか?
皆さまが太陽光発電設備を使って発電した電力の余剰分を電力会社が一定期間固定価格で買い取る制度になります。
いわゆるFITと呼ばれますが、一時期の太陽光バブルの引き金となった制度のことです。
では皆さま、この固定価格期間が終了した後の太陽光はいったいいくらの価格で買い取りがされることになるかご存知でしょうか?
今回はそんな固定価格買取制度の終了後の太陽光発電について紹介していきたいと思います。
固定価格買取制度が終わった後は?
一般的に太陽光発電の固定買取期間が終了した太陽光は、その買取価格が大幅に落ちると言われています。徐々に買取価格が下がっていると言われていますが、恐らく皆さまのなかにも「固定買取期間が終わると、売電単価が大幅に下がってしまう。」という説明を受けたことがある方がいるのではないかと思います。
そうなんです。実は固定価格買取制度が終わると、一般的に買取価格は大幅に下落すると言われています。
しかし、「そうは言っても、結局、電力会社から買ってる単価と同じくらいで買い取ってくれるんじゃないの?」といった意見や、「どうなるか分からないから、もう少し様子を見ます。」など意見を持つ皆さまも多いのではないかと思います
現在でもおおよそ20円強の価格で推移している太陽光発電の買取価格・・・。固定買取制度が終わったあとは一体どのようになっていくのでしょうか?
買取価格の予想
固定買取期間が終わり始めるのは2019年10月31日です。しかし、固定買取期間終了後の住宅用太陽光の余剰電力買取を行うと発表している企業は、2018年7月末現在でもまだ2社しかありません。
1社は中部電力であり、積極的な買取を行うと発表している一方で、買取単価は明示していません。もう1社は水戸電力をグループに持つスマートテックであり、6電力エリア(東北、東京、中部、関西、中国、九州)で各1000軒ずつではありますが、通常買取価格8円にキャンペーンでプラス2円された10円での買取の受付を始めています。
なお、産業用太陽光ではLooopが「LooopFIT」という名称で、通常は6円で買取、同社サービスを導入したものについてのみ、21年目~30年目の7円での買取を行っています。
つまり、民間事業者から提示されている買取単価は6~8円となっているのです。
電力の卸市場動向を見ると
実際の民間企業が発表している買取に加えて、市場全体の動きも把握しておく必要があります。電力全体の市況としてはどうなっているのでしょうか?
電気の原価を見る場合は、電力会社と新電力が電力の売買を行う「日本卸電力取引所」での取引価格を参考にするが最適です。
住宅用太陽光発電で余剰が生まれる時間帯は10時~14時です。 従って、「2017年度の1年間、365日の10時~14時での取引価格」の中央値が、余剰電力の買取単価の相場になります。 この全国平均の価格が、「8.38円/kWh」となっています。
つまり、日本の電力市場の状況を考えても、買取価格の相場は8円程度となる可能性が高いのです。
買取価格が大幅に下がっている?
現在の固定価格買取制度だけ見ていた方であれば前述したような数字は驚かれる数字なのではないかと思います。20円強で買い取りされていたものが、ある日を境に半値以下でしか買取されない状況になるのです。
しかし、これが実態の数字ではあります。おそらく民間他社が各社数字を出してきたとしてもおおよそ8円前後の買取価格になっていくのではないかと考えられています。
このことから分かるように現在の電力買取の状況から比べて確実に今後の買取制度は下がっているという認識を皆さまが持つ必要があるのです。
動かれるなら今が最後のチャンスなのかもしれませんね。
まとめ
太陽光発電はいつまでも高値で買い取ってくれる!?
まさにそういった妄想が打ち消される記事の内容だったのではないかと思います。
今はある程度の高値で買い取ってくれるけれど今後のことを考えるゆっくり考えている時間はない。太陽光発電の正しい認識としてはこういったことも考えなければならないタイミングだと言えますね。