東京ガス(東京都港区)と100%子会社の東京ガスエンジニアリングソリューションズ(同)は7月15日、田町駅東口北地区で「環境性に優れ、災害に強いまちづくり」として進めてきた「田町スマエネプロジェクト」の完成を発表しました。これは一体どのような効果が期待できるのでしょうか?今回のブログは、この田町スマエネプロジェクトについて、ご紹介していきたいと思います。
東京ガス、田町の「スマエネPJ」完成 災害時も電気と熱を100%供給?
東京ガス(東京都港区)と100%子会社の東京ガスエンジニアリングソリューションズ(同)は7月15日、田町駅東口北地区で「環境性に優れ、災害に強いまちづくり」として進めてきた「田町スマエネプロジェクト」の完成を発表しました。同地区では2014年、スマートエネルギーセンター第一プラントの運転を開始しています。スマートエネルギーネットワーク・エネルギーマネジメントシステム(SENEMS)により、エネルギー供給を最適にコントロールするとともに、災害時にも本地区に必要な電気と熱を100%、72時間以上継続的に供給できるシステムを構築してきました。
今回、「msb Tamachi田町ステーションタワーN」の竣工とともに、第一プラントと第二プラントを連携させる熱融通配管が開通しています。また、AC発電効率65%の燃料電池と連絡歩行者デッキへの太陽熱集熱器を導入して省エネ設備を充実させました。
これらの取組みにより「スマートエネルギーネットワーク(スマエネ)」が完成。SENEMSが最大限の能力を発揮できるようになり、さらなる省エネ・省CO2(2005年比30%CO2削減)と、非常時のプラント間エネルギー融通によるレジリエンスの向上を実現しております。
スマエネ完成の特長
2018年の環境産業の輸出額は約16.9兆円で、大部分を「地球温暖化対策」分野が占め、その中でも特に、「低燃費・低排出認定車(輸出分)」、「ハイブリット自動車」の占める割合が大きくなっています。2018年の環境産業の輸入額は約3.9兆円で、大部分を「地球温暖化対策」分野が占めています。
環境産業の付加価値額の推移は、市場規模の推移とおおむね同じ傾向にあり、2018年に全体で約44.0兆円と過去最大となっています。また、2018年の環境産業の経済波及効果は約22.0兆円となった。「リフォーム、リペア」、「省エネルギー建築」等が経済波及効果の大きい部門となっています。
スマエネ完成の特長
熱融通配管の開通により、気象予報データと熱・電力負荷実績に基づき2つのプラントをコントロールすることで、地域全体での最適な電気・熱供給を実現。街区間連携ならではのフレキシブルな運転による省エネ・省CO2が可能となっています。
また、エネルギー契約条件を考慮した運転や、VPP(バーチャルパワープラント)としてアグリゲータからの指令に基づく電力のデマンドレスポンス機能も持ち、電力需給調整における活用も期待できます。
同地区では、運用開始当初からスマートBCP(事業継続計画)として、停電・断水・豪雨・水害など様々なケースでのエネルギーセキュリティー確保に向けた対策を講じてきました。災害時にも必要な電気と熱を100%、72時間以上継続的に供給できるシステムを構築しています。今回のプラント間熱融通の実現で、片側プラントに障害が発生した場合でも、もう一方のプラントからバックアップができるようになり、より強固な防災性を備えた地区に進化しました。