今回のブログも、電力容量市場の仕組みや課題について、ご紹介していきたいと思います。
電力容量市場の概要
背景や仕組みについて、今までのブログでも紹介してきましたが、まとめると容量市場とは、電力の供給力を取引する市場です。供給力とは「発電する能力」を指し、kW(キロワット)価値とも呼ばれます。
容量市場は2020年度に開設されましたが、実際にkW価値が取引できるのは2024年度です。4年後の供給力を2020年のメインオークション(入札)で確保する仕組みです。初のメインオークションは、2020年7月1日から7日まで応札が受付されました。入札結果は8月31日に発表されています。
オークションの買い手は電力広域的運営推進機関(OCCTO)、売り手は発電事業者やネガワット事業者、小売電気事業者などです。基本的には、FIT電源を除くすべての電源種別が容量市場への参加を認められています。再生可能エネルギーに加え、火力発電や原子力発電、そしてディマンドリスポンスによる参加も可能です。
もちろん容量市場への参加は義務ではなく任意です。容量市場への参加や応札結果に関わらず、卸電力市場や需給調整市場への参加することもできます。
では、なぜ4年後という将来の供給力を前もって確保するのでしょうか?その答えは、発電所建設にかかるリードタイムの長さにあります。発電所の建設に必要なリードタイムは、一般的に約10年間と言われています。電気が必要になってもすぐに建設できるわけではありません。
ここで発電所に投資する投資家の立場になって考えてみましょう。投資する発電所が将来収入を見込めそうであれば積極的に投資を行いますが、逆に収入が見込めなければ投資を控えるのが投資家の考え方です。投資家に対し将来の収入を見込みやすくし、発電所に対する投資を促すため、容量市場は4年後のkW価値を取り扱うように設計されました。
イギリスやフランス、アメリカではすでに容量市場の運用が始まっています。ノルウェーやスウェーデンでは、日本と同じく2020年から導入される予定です。
当面の課題
このような仕組みを考えているのですが、当面の課題として、国が2024年度に始める電力市場の新制度で、最大1・6兆円の国民負担が生じることになっています。7月にあった新市場の入札結果が今月公表され、価格が当初想定の1・5倍に膨らんだのです。国側は「想像していなかった」と戸惑い、制度ルールの一部見直しを始めています。
1・6兆円は最終的に電気料金で回収されるため、単純計算だと1キロワット時2円の上昇要因。平均的な家庭(月260キロワット時)の場合、1カ月500円ほどの値上げにあたります。これは再生可能エネルギーの負担金(今年度約2・4兆円)の70%近い水準で、消費税率の約0・6%分になる。
まとめ
このような課題も多い容量市場ですが、1つ言えることは、今後も電力は上がっていく可能性が高いということです。是非知識を身につけて省エネに取り組んでいただければと思います。