皆様は温室効果ガスと聞いて何を想像されますでしょうか?
CO2?地球温暖化?など地球環境の問題としてよく取り扱われるキーワードですね。
今回は2019年度温室効果ガス排出量の発表がありましたので、こちらの内容についてご紹介していきます。
2019年度温室効果ガス排出量
環境省は3月29日、「地球温暖化対策推進本部」を持ち回りにより開催し「2019年度における地球温暖化対策計画の進捗状況」を公表した。日本の温室効果ガスの総排出量は、2019年度速報値で、約12億1300万トン(二酸化炭素換算)で、前年度比で2.7%減少、2013年度比で14.0%減少、2005年度比で12.2%減少した。
2019年度の排出量が前年度の排出量と比べて減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(製造業における生産量減少等)や、電力の低炭素化(再エネ拡大)に伴う電力由来のCO2排出量の減少等が挙げられた。
概要は下記の通り。
エネルギー起源二酸化炭素排出量は10億2900万トン
温室効果ガス(GHG)のうちエネルギー起源CO2の2019年度排出量は、10億2900万トン。前年度比では3.4%減少し、13年度比では16.7%減、05年度比で14.2%減だった。
温室効果ガスの部門別の排出量は、以下の通り。
産業部門(工場など)
排出量は3億8600万トン。前年度比3.0%減、13年度比16.5%減、05年度比17.3%減。前年度比減少の要因は、製造業における生産量減少等によりエネルギー消費量が減少したことなど。
13年度比の減少要因は、 電力の CO2排出原単位(電力消費量当たりのCO2排出量)が改善したこと、省エネ等によりエネルギー消費量が減少したこと。05年度比の減少要因は、省エネ等によりエネルギー消費量が減少したことなど。
運輸部門(自動車など)
排出量は2億700万トン。前年度比1.8%減、13年度比7.7%減、05年度比15.3%減。前年度比の減少要因は、主に旅客輸送において燃費の改善等によりエネルギー消費原単位(輸送量当 たりのエネルギー消費量)がさらに改善したこと、旅客輸送、貨物輸送ともに輸送量が減少したことなど。
13年度比・05年度比の減少要因は、 旅客輸送において燃費の改善等によりエネルギー消費原単位が改善したこと、 貨物輸送において輸送量が減少したことなど。
業務その他部門(商業・サービス・事務所など)
排出量は、1億9200万トン。前年度比4.7%減、13年度比19.2%減、05年度比では12.9%減だった。前年度比・13年度比の減少要因は、電力の CO2排出原単位の改善により電力消費に伴う排出量が減少したこと、エネルギー消費原単位(第3次産業活動指数当たりのエネルギー消費量)が改善し、エネルギー消費量が減少したことなど。
05年度比の減少要因は、電力のCO2排出原単位が悪化したものの、省エネ等によりエネルギー消費原単位が改善し、エネルギー消費量が減少したことなど。
家庭部門
排出量は1億5900万トン。前年度比4.3%減、13年度比23.7%減、05年度比7.0%減。前年度比の減少要因は、 電力の CO2排出原単位の改善により電力消費に伴う排出量が減少したこと、 暖冬だった前年度以上に全国的に冬の気温が高かったことなどによりエネルギー消費量が減少したことなど。
13年度比の減少要因は電力のCO2排出原単位の改善により電力消費に伴う排出量が減少したこと、省エネなどによりエネルギー消費原単位(世帯当たりのエネルギー消費量)が改善し、エネルギー消費量が減少したことなど。
05年度比の減少要因は、電力の CO2排出原単位が悪化したものの、省エネ等によりエネルギー消費原単位が改善し、エネルギー消費量が減少したことなどによる。
エネルギー転換部門(製油所、発電所など)(電気熱配分統計誤差を除く)
排出量は8990万トン。前年度比4.2%減、13年度比15.4%減、05年度比12.3%減。前年度比、13年度比の減少要因は、事業用発電(主に送配電熱損失)における排出量が減少したことなど。
05年度比の減少要因は、石油製品製造における排出量が減少したことなどがあげられる。
目標水準と照らした実績と今後の取り組みは?
2019年度における「地球温暖化対策計画」に掲げられた各対策・施策について、2030年度の目標水準や見込みなどに照らした実績などは下記の通り。
低炭素社会実行計画の実施(業種数:115)
実績が目標水準を上回る:55業種
実績が基準年度比/BAU(Business as Usual/特段の省エネ・CO2削減対策を実施しなかった場合)比で削減しているが、目標水準を下回る:52業種
実績が目標水準を下回り、かつ、基準年度比/BAU比で増加:4業種
データ未集計(新規策定・目標水準変更・集計方法の見直し等):3業種
目標未設定:1業種
上記「1」以外の対策・施策(対策・施策件数:110)
このまま取り組みを続ければ目標水準を上回ると考えられる対策のうち、実績が既に目標水準を上回るもの:15件
このまま取組を続ければ目標水準を上回ると考えられる対策(A.を除く):16件
このまま取組を続ければ目標水準と同等程度になると考えられる対策:48件
取組がこのままの場合には目標水準を下回ると考えられる対策:25件
その他定量的なデータが得られないものなど:6件
今回の点検を踏まえ、地球温暖化対策推進本部では今後下記についてい取り組みを進める。
計画の目標達成に向けては、毎年度の温室効果ガス排出量や今回の点検結果も踏まえ、同計画に掲げられた対策・施策を一層推進していく
計画の進捗状況については、毎年度の温室効果ガス排出量や今回の点検結果も踏まえながら、引き続き、厳格な点検を行う
現在、計画策定時からの状況変化等も踏まえ、計画の規定に基づき中央環境審議会地球環境部会中長期の気候変動対策検討小委員会・産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討WG合同会合等において検討を進めている。1に基づく充実強化等や、2に基づく精査の結果などを含めたこれまでの点検の結果を加え、計画の見直しを行っていく
まとめ
今回は2019年度温室効果ガス排出量に関しての情報に関してお伝えしてきました。
約12億1300万トン(二酸化炭素換算)と言われてもピンとこない方も多いかもしれませんが、世界の環境問題として取り扱われている問題に関して、一人一人がこのような情報を認識するだけでも行動が変わってくるのかもしれません。