11月のブログは、これから店舗営業をはじめる人を対象に、
電力の種類やその違い、最適な電力選びをして頂けるよう事例のご紹介、
節電の方法などをご紹介しています。
前回のブログでご紹介した電力の種類の違いや特徴をまとめると、
下記のようなになります。
(まだ読んでないという方はひとつ前のブログをご覧ください。)
≪低圧電力≫
電気代:19円〜30円/1kWh
初期費用;無し
特徴:一般家庭でも使用されている電力。照明やOA機器など
≪動力≫
電気代:17円/1kWh
初期費用:無し
特徴:業務用エアコンや業務用冷蔵庫など、使用できる製品は限られている
≪高圧電力≫
電気代:17円/1kWh
初期費用:300万円
特徴:キュービクルで変圧すればどのような製品でも使うことができる
※電気代は東京電力のもの。使用する電力会社によって価格は変動します。
つまり、大量に電力を消費するなら高圧電力を使うほうが良く、
基本的に小規模な飲食店や美容室などでは動力と低圧電力を組み合わせて
利用しています。
キュービクルの設置には数百万円の初期費用が必要になるだけでなく、
法律で決められたメンテナンスを行うために月数万円、
さらに波及事故や子供のイタズラ対策をする必要もあり、
故障時の部品交換には100万円近くかかることもあるのです。
このため、数万円の削減のためにキュービクルを設置するのは非常にリスクが高いのです。
ケースごとの最適な電力例
以下では、それぞれの電力がどのようなケースに最適なのかということについて
例を挙げてみました。
≪月2万円程度の電気代である場合≫
駄菓子屋さんのような小規模な小売店のように、ほとんど電力を使わない場合は
一般家庭と同じ条件の低圧電力で契約するのが良いでしょう。
先程もご紹介した通り動力の契約には基本料金が必要になりますから、
月2万円程度の電力消費であれば動力に切り替えることで得られるメリットは少ないです。
≪月3万円〜30万円程度の電気代である場合≫
月3万円を超える電気代を支払っている場合は動力の利用を検討すると良いでしょう。
美容室や飲食店などでは、三相200Vの業務用エアコンを使うことで
大幅な電気代削減に繋がります。
また、エアコンの他にも飲食店の場合は冷蔵庫、食器洗い機、製氷機など。
美容室の場合はドライヤーなどが三相200V電源の製品が出回っているため、
探してみて動力で使う製品を多くすることを検討してみても良いかもしれません。
≪月30万円以上の電気代である場合≫
コンビニやスーパーマーケットのように
大量の食品を冷やす必要があったりする場合は、高圧電力を使うことを検討しましょう。
特に工場などの大規模な施設の場合は高圧電力でなければ電気代が
かなり高くなってしまいます。
ただ、30万円〜40万円の電気代であれば、キュービクル設置によるリスクも考えて
動力と低圧電力で賄うことも検討しても良いかもしれません。
キュービクルは設置・維持管理・撤去に費用が発生しますので、
長年設置して初期費用をようやく回収できるような代物です。
微妙なラインである場合は事業撤退のリスクも十分検討した上で
設置するようにしてください。
おわりに
いかがでしょうか?
ここまでくると、これから皆さんがやろうとしているビジネスで
「どのくらいの電気代がかかるか」
「どんな電力を利用すると良いか」
など、少し見えてきたと思います。
適切な契約を行えば、毎月かかる光熱費を安く抑えられることが
できるかもしれないのでよく検討して決めてみてください。