前回のブログでは、『電力の種類』や『店舗別に電気代がどこにどれだけかかるのか』
に焦点を当ててひも解いて解説しました。
高額な電気代がかかる箇所は業態によって様々ですが、
節電をすれば20%ほどカットできる場合もあります。
東京都の環境局は夏の節電を広く企業や家庭に求める狙いで、
「東京都省エネ・エネルギーマネジメント推進方針」を発表しました。
昨年夏に都内の事業所や家庭に対して実施した節電のアドバイスをもとに、
実効性のある節電対策をまとめていますので、今回ご紹介したいと思います。
節電に関心があればぜひ一度確認してみてください。
賢い節電3原則
まず基本原則として、下記の3つのポイントを掲げています。
①無駄を排除し、無理なく「長続きできる省エネ対策」を推進
②ピークを見定め、必要なときにしっかり節電(ピークカット)
③経済活動や都市のにぎわい・快適性を損なう取組は、原則的に実施しない
特に注目すべきは3番目の原則で、経済活動や快適性を損ねる無理な節電対策を
避けるようにすすめています。
具体的には、工場の操業日や操業時間の変更、
ピークカットの効果が低いエレベータやエスカレータの使用停止などです。
事業所向け『賢い節電』7か条
3原則のように、実効性を重視した節電対策が事業所向けと家庭向けで
「7か条」にまとめられ、以下のようになっています。
①500ルクス以下を徹底し、無駄を排除、照明照度の見直しを定着化
②「実際の室温で28℃」を目安に、それを上回らないよう上手に節電
③OA機器の省エネモード設定を徹底
④電力の「見える化」で、効果を共有しながら、みんなで実践
⑤執務室等の環境に影響を与えず、機器の効率アップで省エネを
⑥エレベータの停止など効果が小さく負担が大きい取組は、原則的に実施しない
⑦電力需給ひっ迫が予告された時に追加実施する取組を事前に計
詳しい内容については、
「東京都省エネ・エネルギーマネジメント推進方針」でお調べ下さい。
事業所向けの対策としては、照明機器の照度を500ルクス以下に抑えることを
はじめとして、デマンドコントローラやBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を
使ったピークカットの実施などを推奨しています。
また、「賢い節電」を土台とし、低炭素、快適性、防災力の3つを同時に実現する
「スマートエネルギー都市」を目指して、
都が進めていく取り組みについても示しています。
主な取り組みとして、
・事業所における取り組みの促進
・新築建築物の省エネ性能の向上、住宅における取り組みの促進
・再生可能エネルギーなどの低炭素電源や自立分散型電源の利用拡大、
・エネルギー需給両面からの最適制御を組み込んだ都市づくり、
をあげました。
事業所における取り組みでは、キャップ&トレード制度における需要家による
低炭素電力・熱の選択を評価する仕組みの導入、中小規模事業者が
自らのCO2排出水準を評価できるベンチマークの導入などを盛り込み、
都市づくりにかかわる民間事業者等と連携するとともに、世界の先進都市とも
国際的に連携していく方針です。