韓国の水素は天然ガスから作られており、「グレー水素」と
専門家の間では呼ばれています。
それに対し、化石燃料を使って作られる点では同じですが、
排出される温室効果ガスを6割から9割回収して地中に埋めるのが「ブルー水素」。
さらに、再生可能エネルギーを使って水から作るのが「グリーン水素」と呼ばれます。
韓国で最多の天然ガスを販売する企業は、
水素に18兆ウォン(約1兆8700億円)の投資しているものの、
それはグレーとブルー水素のみです。
なぜグリーン水素に投資しないのか?
その理由は、グリーン水素に移行するには、さらなるテクノロジーの進歩と
投資が必要だから。
ます水素を消費するインフラと市場を作り、グリーン水素がもっと簡単に
手に入るようになった時に、市場を拡大する方針とのことです。
グリーン水素の課題はコスト。つまりお金。
グリーン水素を作るためにはグレー水素の2、3倍のお金がかかるようなのです。
■今はまさに20年前の太陽エネルギー業界のよう
コストダウンが難しいグリーン水素ですが、ウクライナ侵攻の影響で
高騰する化石燃料価格はグリーン水素の推進力となっているようです。
グリーン水素を作るのに使われる再生可能エネルギーは、
燃料価格の変動の影響を受けないからです。
■おわりに
こうしたことから、手ごろな価格でグリーン水素が作れるようになると、
得する産業は多いのは事実です。
なかでも高熱を必要とする石油精製、肥料製造、鉄鋼生産は
水素エネルギーに最適でしょう。
2050年までに世界中の水素業界は2.5兆ドルにも達すると予想され、
EUや日本も多額の投資をしています。
特に、ロシアの化石燃料への依存を解消しようとしている欧州連合(EU)は、
グリーンエネルギーへの移行を今まで以上に加速しています。
ロシアのウクライナ侵攻は、ヨーロッパのエネルギーの
脱ロシア化を促しただけでなく、アジア諸国のエネルギーをめぐっても
変化を駆り立てる一因ともなっています。