太平洋セメントは、埼玉工場で、セメント製造工程で発生する廃熱を活用した発電設備を稼働しました。
発電出力は7.85kW。年間発電電力量約53,000MWh、年間約23,000トンのCO2排出削減を見込んでいます。
今回の埼玉工場への導入により、全工場への廃熱発電設備の設置が完了しました。
全工場での総消費電力量に対する廃熱発電量の割合は19.7%(2021年度比3.0ポイント増)になる見通し。
また、同工場では、2023年秋からの運用開始を目指し、CO2排出量の少ないガスエンジン発電設備の建設を進めています。
同工場は現在、操業のための電力を全量購入している。両発電設備の完成によって、安定的な操業と製造原価低減が見込まれるとしています。
川崎重工、最新鋭の高効率廃熱回収ボイラを国内初納入
また、川崎重工は、太平洋セメント埼玉工場に、セメント廃熱発電設備を納入したことを発表しました。
セメント製造の焼成工程で発生する未利用の廃熱エネルギーを活用して効率的に発電を行い、工場の省エネルギー化を図るものとしています。
同社グループ製の廃熱回収ボイラと蒸気タービン発電設備などで構成されています。
廃熱回収ボイラには、同社最新のVEGA(R)(Vertical Exhaust Gas Advanced)ボイラが国内で初めて採用され稼働しています。
今回、太平洋セメントの審査により、CO2排出の削減と代替燃料利用の促進の両方を達成できるとして、同社製の廃熱発電設備の性能・経済性が評価され採用に至っています。
VEGAボイラは、画期的な伝熱管および除塵効果の高いハンマリング装置を採用した、従来型PHボイラとは全く構造の異なる縦型PHボイラとなります。
特長は、下記の通り。
・従来型と比べ本体重量を約50%、設置面積を約40%削減
・伝熱管のモジュールブロック化により、据付工事期間を約25%短縮
・ボイラ内のガス圧力損失が従来型から約75%低減となり、誘引ファンの動力低減によりさらなる省エネ効果
・伝熱性能向上に寄与する除塵効果の高いハンマリング装置の採用。木くず、廃プラスチック、汚泥、下水汚泥焼却灰、都市ごみ焼却灰などの代替原燃料由来の付着性の高いダストが大量に含まれる排ガスからも効果的かつ長期間にわたり安定的に熱回収が可能