政府は、第3回「GX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議」を開催し、カーボンプライシング(CP)の導入に向けた方向性を示しました。
CP導入へ 基本案で4つの方向性示す
CP導入に際しては、経済や企業活動に考慮して段階的に引き上げるとしたほか、将来の財源の裏付けを持った「GX経済移行債」を発行して先行投資支援を行うなどとしています。
岸田 文雄首相は「価格の不安定性や産業・雇用の混乱などの課題を克服し、経済・社会の安定的かつ力強い変容をもたらす成長志向型カーボンプライシングの具体的な制度案を次回会議で提示してほしい」と述べ、以下の4つを踏まえるよう指示しました。
・排出量取引市場では炭素価格の過大な変動を起こさせず、安定化させる公的機能を組み込むこと
・企業の予見可能性を高め、産業企業活動の混乱を回避し、民間による大胆な投資を引き出すこと
・「GX経済移行債」を活用した投資支援を講じること
・国内の脱炭素投資やエネルギー関連技術を実装する先導プロジェクトを最大限前倒しすること
官民合わせて150兆円 脱炭素分野へ投資
政府は、カーボンニュートラル関連への投資として、今後10年間で官民合わせて150兆円の脱炭素分野への投資が必要と試算しています。
中間整理では、2050年カーボンニュートラルに向けた必要な投資額を、主要分野においてそれぞれ一定の仮定のもとで積み上げた場合、2030年単年で約17兆円、今後10年で約150兆円になるとしています。