三菱総合研究所は、分散型エネルギーリソース活用を検討する事業者向けに、独自のシミュレーション技術に基づいた分散型エネルギーリソース運用支援サービス「MERSOL(マーソル)」の提供を開始しました。
同サービスを利用することで、事業者はDER活用プロジェクトの事前評価や実施判断の基礎資料を得たり、運用パターンの分析を通じて実運用時の制御ロジック検討に活かすことができます。
複数のDER運用シミュレーションが可能
同サービスの分析対象は、需要家構内に設置する蓄電池および系統直付け蓄電池となります。
独自のマルチユース最適化モデルにより、DERの用途を複数組み合わせた運用シミュレーションが可能、単一のDER運用と比べて、より効率的な運用方法を導出できます。
また同サービスを活用する事業者は、検討中のDER活用事業における最適運用パターンや運用収支見込みをシミュレートし、結果を表やグラフ形式で確認することもできます。
さらに、ウェブ上で事業者が自ら条件を設定し、いつでも自由に分析を実施できるため、事業者の個々のニーズに対応した業務高度化、効率化に貢献します。
今後は分析対象をさらに拡大し、制度変更に応じた更新も随時実施するとしています。
DER運用には高度な解析技術が必要となる
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーや蓄電池などのDER活用への期待が高まっており、国による制度設計や事業者の取り組みが進んでいます。
一方で、DERを用いた事業検討には高度な解析技術や制度・技術に関する知見が要求され、新規事業者の障壁となっています。
同社は2021年5月から、独自のDER運用シミュレーションモデルを用いたコンサルティングの提供を開始しています。
今後は、MERSOLをさらに発展させ、DER実運用プロジェクト向けの情報提供や運用計画ロジックの提供、事業者との共同事業参画なども検討していく考えとなります。