商船三井は、米国の石油大手Chevron Corporation(シェブロン)と、シンガポールで排出されるCO2を回収した後に液化し、オーストラリア沖貯留地まで海上輸送するための事業開発で協業するとなっています。
商船三井は、シェブロン社の子会社であるシンガポールの企業Chevron New Energies Internationalを通じて、アジア太平洋地域でのCCUS(CO2回収・有効利用・貯留)向け液化CO2海上輸送事業開発の協力に関する覚書を締結しています。
この覚書に基づき、商船三井とシェブロン社は2030年までに、年間250万トンの液化CO2を海上輸送するために適した船舶の技術的・商業的実現可能性を検討します。
この検討作業を通じて、シンガポールで排出されるCO2の大規模な回収・輸送・地下貯留、またアジア太平洋地域でのCCUSバリューチェーン構築に貢献します。
シンガポールのCCS事業性調査を補完
シェブロン社は9月、シンガポールでCCUSソリューションを検討するため、産業ガス大手の仏エア・リキードらとコンソーシアムを結成することを発表しています。
2030年までのCCUS操業開始を目標にしており、操業後は年間250万トンの液化CO2の海上輸送を見込んでいます。
今回の商船三井とシェブロン社の協業はこの取り組みの補完するものとなります。
液化CO2海上輸送事業に注力
商船三井は2021年3月、液化CO2船を船舶管理するラルビック・シッピング社(LS社/ノルウェー)に出資し、液化CO2海上輸送事業へに参画しました。
同年5月には、LS社らと、リトアニアにおいて、液化CO2輸出インフラ開発と水素生産プロジェクト事業性の共同検討を開始すると発表しています。
又、2月には、マレーシア国営エネルギー企業と、CCUS向けの液化CO2海上輸送に関する事業開発で協業すると発表しています。
日本郵船(東京都千代田区)は1月、ノルウェーのKnutsen Group(クヌッツェン・グループ)と、液化CO2の海上輸送・貯留事業に関する新規事業開拓と、マーケティングを行う合弁会社を設立したことを発表しています。