お世話になります。
ライフ空調システム株式会社です。
今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。
地質調査業の近年の動向
日本における地質調査業は、1945年以降の戦後復興とそれに続く国土基盤のための社会資本整備が進む中で、土木・建築分野における土質力学の積極的な導入と相まって発展してきました。
さらに1960年代初頭から東京オリンピックの開催を控え、全国的に社会資本整備が急激に進み、高速道路網の整備、東海道新幹線建設、ダム建設などが全国的に進められ、その後に継続する日本の高度経済成長期に地質調査業はより活性化しました。
地質調査業の総受注額は高度経済成長期から概ね右肩上がりで増加しています。
しかしながら、受注額は1995年を境にそれ以降減少を続けています。
このことから分かるように、地質調査業は戦後の復興から形成し、高度経済成長期に拡大・確立したビジネススタイルの転換期を迎えています。
近年の地質調査業は、取り巻く環境の変化に対応したビジネススタイルへの修正、変換あるいは大幅な改革が求められている段階であるといえます。
地質調査業を取り巻く環境の変化は大きく分けて三つ存在します。
まずは、1995年以前典型的なビジネスモデルであった建設投資市場の護送船団方式が終焉し、規制緩和による各社の競争が激化していることが挙げられます。
二つ目としては情報技術の飛躍的な進歩によって、情報伝達の高速化と大容量化がそれまでの地質調査業の業務形態を大きく変化させたこと。
さらに三つ目として、2011 年に発生した東日本大震災によって、地盤に対する国民意識が大きく変わったことです。
大地震によって住宅(地)が地盤沈下・液状化現象を起こし、そのことによって地盤への関心と不安視が増大しました。
この三つの変化を捉えた枠組みで新たなビジネススタイルを考えることが大切であり、特に地盤についての防災・減災・維持保全管理などの新たな国民ニーズに対応した地質調査業のビジネススタイルを構築することが肝要であるといえます。
また、地質調査業を支える技術は大きく二つあり、その二つが緊密に連携することによって成立しています。
一つは、地盤状況をより忠実に把握するためのサンプリング・試験・探査などの旧来からあった標準的な技術です。
もう一つは、地盤の状態を詳細に理解するために、必要不可欠な最新の機器設備を駆使した工学的な技術等です。
地質調査業は、見えない地盤の状況を可視化(状態を判断する)できる唯一の業種であることから、新たなビジネススタイルの構築によって、さらに社会と国民からの要望が増大することが予想されます。