お世話になります。
ライフ空調システム株式会社です。
今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。
前回のブログでご紹介したように、LPガスには昔から続いている商慣行があり、これを背景として、消費者が不利益をこうむっている現状があります。LPガス業界と不動産業界の連携により、賃貸住宅に入居する前の消費者へのLPガス料金情報の開示など、いくつかの対応策がとられているものの、制度改正をおこなうことで商慣行そのものの見直しを図ろうと、「液化石油ガス流通ワーキンググループ」での議論がおこなわれています。今回は、LPガスの商慣行を是正するため進められている制度改正の概要をご紹介しましょう。
・LPガス商慣行通報フォームなど、監視・通報体制の整備
まず、監視・通報体制の整備をおこないます。これに先がけて、2023年12月1日には、資源エネルギー庁ホームページに、匿名による投稿も可能な通報フォームが開設されました。これは、改正法令施行前に駆け込み的な営業行為がおこなわれていることを懸念する声が寄せられたことを踏まえたものです。ここで寄せられた情報も参考にしながら、施行後の監視体制を構築します。なお、情報提供者が不利益をこうむることのないよう、情報管理を徹底します。
・国土交通省と連携した改正制度の周知徹底
Pガスの商慣行は、LPガス事業者と不動産関係者・建設業者との取引関係に起因するものです。このため、「過大な営業行為の制限」や「三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)」について、LPガス事業者のみならず、取引先である不動産関係者・建設業者に対しても、制度改正の周知徹底を図ります。
「LPガス料金などの情報提供」については、これまでも、入居後におけるLPガス料金を巡るトラブル防止のため、令和3(2021)年6月、経済産業省・国土交通省から、関係業界に対し、入居希望者へのLPガス料金の情報提供を依頼する通知を発出するなどの取り組みを実施してきています。転居などが増える3月よりも前を目途として、経済産業省・国土交通省が連携して、業界団体宛てに改めて周知を行います。
・業界による自主的な取り組みの推進
商慣行是正を更に推し進めていく取り組みとして、各LPガス事業者みずからが改正制度を順守することを宣言する「商慣行見直しに向けた取り組み宣言」についても議論されています。宣言は資源エネルギー庁が集約してホームページで公表することで、宣言済みの事業者であるかどうか消費者が確認できるようにします。
・改正法令施行後の取り組み
今回の改正案は罰則などの対象となります。違反の疑いがあった場合は立ち入り検査を実施。三部料金制やLPガス料金などの情報提供に関しては、通常の立ち入り検査時に実施状況を確認します。また、違反があった場合、登録抹消や罰金を科すといった処置をおこないます。
あわせて、施行前から施行後にかけて、LP事業者に対するフォローアップ調査も実施します。
・効果検証も実施
施行後には、公開モニタリングで効果検証も実施します。通報フォームから集約した内容や、「商慣行見直しに向けた取り組み宣言」の取り組み状況、大手事業者の商慣行是正に向けた取り組み状況の公開ヒアリング、フォローアップ調査の結果などを確認・議論し、改善へとつないでいきます。
また、改正法令の実効性を確保していく上では、不動産業界といった関係者による対応も必要となるため、国土交通省をはじめとした関係各省との連携が必要であるという指摘も多数なされています。そこで、国土交通省も協力し、2023年11月以降、不動産関係団体向けの説明会を順次実施しています。一方、消費者向けの説明も必要となるため、消費者庁と連携した取り組みも予定されています。さらに、LPガス事業者による競争を健全なものとし、消費者利益を確保するため、公正取引委員会とも連携して今後の市場監視・モニタリングにあたります。
転居などで新しいLPガス販売契約が増える春。制度を改正し、事業者や消費者向けに周知を徹底することで、LPガスの取引をめぐるトラブルの発生を防ぎ、消費者を守るしくみづくりを進めていきます。