お世話になります。
ライフ空調システム株式会社です。
今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。
いま、世界各国は、脱炭素化とエネルギー危機への対応という、2つの重要課題への取り組みを求められています。
そこでふたたび世界で注目が集まっているのが、運転中に温室効果ガスを排出せず、かつ準国産エネルギーと見なされている原子力発電です。
原子力技術は、安全確保を大前提としながら、2050年カーボンニュートラルとエネルギー安定供給の両立に向け、どのように進化しつつあるのでしょうか。
また、世界では新型炉の研究も活発化する中で、日本の原子力産業は今どのような状況にあるのでしょうか?
東日本大震災にともなって起こった東京電力福島第一原発の事故以降、日本の原子力プロジェクトは停滞傾向にあります。その影響で、原発の中枢技術を持つ企業が、原子力分野から撤退する事例が出はじめています。
また、事業を続けている企業においても、原子力関連業務に従事する従業員数は減少しています。特に、大型設備の製造時に必要な溶接工や組立工、機械工などの高い技術を持つ技能職の従事者数は大きく減っています。
また、世界では、新しい原子炉の開発も進んでいます。新しい原子炉は、従来のものより多重な安全対策が施されていることはもちろん、さまざまな付加価値が生み出せるものもあります。日本の原子力産業も、こうした発展を追いかけていかなくてはなりません。
このような中で、原子力技術の継承と次世代の育成は、日本の取り組むべき大きな課題となっています。
世界の多くのメーカーで開発が進む新しい炉は「次世代革新炉」と呼ばれ、たとえば以下のような種類があります。
① 革新軽水炉
現在普及している「軽水炉」をベースに、新しい技術を導入した新型炉です。地震や津波などの自然災害へのレジリエンス向上や、テロ対策などの安全性向上が追求されています。また、万が一「メルトダウン」が起こったとしても、放射性物質を発電所敷地内にとどめることができる設計も取り入れられています。
② 高速炉
原子炉の冷却に、水ではなくナトリウムを使用する原子炉です。万が一の際には自然に止まる・炉心を冷やす・溶けた燃料を閉じ込めるといった機能を持ちます。また、従来の原子炉とくらべて廃棄物の量が減り、有害度も低減されます。さらに、ウラン資源を有効活用できるという長所もあります。
③ 高温ガス炉
この原子炉の最大の特長は、発電と同時に950℃もの熱エネルギーを得られること。この熱を活用すれば、「水素」を製造できます。つまり、2種類のクリーンエネルギーを生み出すことができるのです。また、原子炉の冷却にヘリウムを使うので原理的に水素爆発をしない、万が一冷却材を失っても温度が上がりすぎない、きわめて燃料が溶けづらい構造になっているという特長もあります。
このように、日本の原子力業界は、原子力の安全性の向上を目指し、高い技術力の維持と、新技術の開発に取り組んでいます。
近年では、次世代革新炉に取り組む世界各国との共同開発なども進められています。
たとえば、ビル・ゲイツ氏が会長をつとめる米国のTerraPower社は高速炉の開発を進めていますが、
同社は高速炉「もんじゅ」の建設・運転でつちかった日本のノウハウに着目。
2022年1月、原子力研究開発機構(JAEA)と三菱重工業株式会社、三菱FBRシステムズとの間で協力に向けた取り決めを結びました。
ほかにも、米国やカナダ、ポーランドとの間で、原子力サプライチェーンの構築や研究開発分野での協力が加速しています。
また、今後は国としても原子力サプライチェーンへの支援体制を強化していく予定です。
高専・大学と協力した原子力関係人材の育成や、事業継承支援、海外プロジェクトへの参画支援など、多角的な対策が講じられます。
原子力技術を維持し、新しい技術も取り入れてさらなる安全性を追求できるように、これからもさまざまな取り組みがおこなわれる予定です。