需要家に対してタイムリーでわかりやすい節電要請を行うため、前々日に電力需給ひっ迫準備情報を発信することにより注意喚起を行い、前日に電力需給ひっ迫警報または電力需給ひっ迫注意報を発令しています。
セーフティネットとしての計画停電の円滑な発動に備え、一般送配電事業者による準備状況の確認を引き続き行っていきます。
今冬の電力需要に対して供給余力を示す予備率は、安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通し。
ただし、1月の東北・東京エリアでは4.1%となるなど、依然として厳しい見通しであり、大規模な電源脱落や想定外の気温の低下による需要増に伴う供給力不足のリスクへの対策が不可欠となっています。
ロシアのウクライナ侵略に伴う、燃料の調達リスクも引き続き高まっています。
今後の供給力の維持・拡大に向け構造的対策も推進
さらに、今後の供給力の維持・拡大を図るために、発電所の積極的な維持・活用や、新規投資の拡大を促すための制度的な構築の検討を早急に進めるとしています。
原燃料(LNG)の調達・管理の強化では、LNGの電力・都市ガス事業者間の融通について、地域ごとの連携と全国での連携による原燃料の融通の枠組みを構築しています。
また、都市ガス事業者も含めた在庫把握・管理を強化するとともに、国の調達関与の強化についての検討を進め、燃料供給体制を強化します。
脱炭素電源への新規投資を促進するため、長期脱炭素電源オークションを2023年度に導入できるよう制度措置の具体化を行います。
その際、足下の電力需給が厳しい状況を踏まえ、2050年までに脱炭素化することを前提として、時限的に新設・リプレースのLNG火力を対象とします。
地域間連系線の整備では、2027年度中の整備を計画している北海道~本州間、東北~東京間、周波数変換設備の増強について、着実な整備を進めています。
加えて、レジリエンス強化と再エネ大量導入のため、系統整備のマスタープランを 2022年度中に策定し、これを基に系統整備を行う。その際、北海道~本州間の海底直流送電や、東西の更なる連系に向けた周波数変 換設備の増強についても検討を行います。
政府は「電力需給に関する検討会合」を開催し、「2022年度冬季の電力需給対策」を決定ました。
同会合は、2011年の東日本大震災後に生じた電力供給不足に際し、政府としての対応を総合的かつ強力に推進するために設置されています。
2022年度の電力需給の厳しさを受けて、6月に、5年ぶりに開催されたものに引き続き、今回開催されます。