国内でも災害による電力の供給がストップすることによる影響に関しての話題はニュースやネットで取り上げられていますが、皆さんはご自身が同じような状況になった際の準備は行っていらっしゃいますか?
今回は災害時の電力供給に関して、補助金が採択された事例をご紹介していきたいと思います。
再エネ施設への蓄電池補助金
災害時に電力系統の調整力が不足した場合でも、再生可能エネルギーを供給力として稼働可能とするための蓄電池等補助金について、環境共創イニシアチブは9月9日、牧野海運(岡山県岡山市)の北浦太陽光発電所用蓄電システム設置事業への交付を決定したと発表しました。
同発電所の出力1320kWの太陽光発電設備にリチウムイオン蓄電池を設置し、非常時の電力系統への電力安定供給に寄与するもの。同補助金では6月27日に、アフターフィット(北海道白老町)のソーラー発電所への交付を決定しており、牧浦海運が2例目となりました。
SIIでは9月30日(月)17時まで引き続き募集を受け付けています。
国内災害時の補助金事例
北海道胆振東部地震では、大規模停電により系統全体の周波数が低下し、多くの太陽光発電や風力発電は火力発電による調整余力が戻るまで再稼働できず、調整力の確保状況と並行して段階的に系統へ接続が行われました。一方で、蓄電池を併設した太陽光・風力発電については、蓄電池の調整力が利用でき、比較的早期に接続が行われ電力供給に貢献しました。
緊急時における蓄電池の即時応答性と、調整力としての有用性が確認されたことを踏まえ、今回の事業を実施します。
中小企業で1/2、最大3億円を補助
補助金の交付は、「再生可能エネルギー発電設備への蓄電池導入支援事業」として資源エネルギー庁の2018年度補正予算で実施。災害時に電力系統の調整力が不足した場合でも、電力系統へ再生可能エネルギーを迅速かつ安定的に供給するための蓄電池を導入する再エネ事業者を支援するものです。事業規模は約20億円です。
以下の3項目をすべて満たす事業が対象となります。
再エネ発電設備の発電出力(太陽光モジュール等の再エネ発電設備の合計出力と電力変換装置の出力のいずれか小さい方)が1000kW(1MW)以上であることです。
非常時において一般送配電事業者の接続要請または給電要請があった際に、蓄電システムを活用し、再生可能エネルギーを供給力として稼働可能とするための事業であるため、交付審査により非常時に供給力として稼働を行うことに関して、一般送配電事業者に確認されるものであることです。
原則、再エネ発電設備からの電力供給が2020年2月28日までに開始する見込みであること。2020年2月28日までに供給開始できない見込みの場合、SIIで個別に審査を行います。
補助の対象となる事業者は、日本国内で事業活動を営んでいる法人で、設備の所有者であること、事業の継続性が認められることなどがあります。
また、補助事業の実施のために新規で導入される蓄電システムで、当該地域の一般送配電事業者の系統連系協議において協議済みの蓄電システムであること、購入・製造価格が定格出力1kWあたり22万円の目標価格以下であることなどの条件を満たす必要があります。
対象となる経費は設備費・工事費で、中小企業・地方公共団体は補助対象経費の1/2以内、それ以外では同1/3以内を補助します。
1申請あたりの補助金上限額は3億円です。
まとめ
災害時による電力安定供給を行うための蓄電池の補助金の情報は、知らなければ活用することもできず、また、自分から得るための行動が必要です。
皆さんとともにこれかれも新しい情報には積極的に目を向けていきたいと思います。