お世話になります。
ライフ空調システム株式会社です。
今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。
【アジアの脱炭素化を促進!「AZEC構想」(後編)日本企業の先進的な取り組み】
高い経済成長を遂げるアジアにおいて、その成長を支えると同時に脱炭素化を目指す枠組みとして、2022年、日本は「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想」を提唱しました。
2023年12月にはパートナー国による初の首脳会合がおこなわれ、共同声明が採択されています。日本とAZEC参加国における政府、企業、金融機関の間では、MOU(協力覚書)をはじめ、350件以上の協力案件の進捗が確認されました。今回はその内容と具体的な取り組み例をご紹介します!
・日本とアジアの協力案件は350件以上
アジア各国の経済成長を支えると同時に、脱炭素化に向けて化石燃料からのエネルギートランジション(移行)を進めることを目的に、日本が提唱した「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想」。
2023年12月に開催された首脳会合では、脱炭素に向けた基本原則を確認するとともに、技術協力や政策策定の支援協力などさまざまな合意がなされ、「AZEC首脳共同声明」として採択されました。
・日本の先進技術を活かした協力案件
「事例①」マレーシアでグリーン水素製造プラントを建設
旭化成株式会社と日揮ホールディングス株式会社、マレーシア国営石油ガス会社Petroliam Nasional Bhd. (PETRONAS)の子会社Gentari Sdn. Bhd.の3社は、マレーシアで、再エネなどを使って製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた「グリーン水素」を年間8000トン製造するための60MW級アルカリ水電解システムの建設に向けて、MOUを締結しました。
この事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一部として運用されています。マレーシアでのグリーン水素の製造を通じて、日本とマレーシア、そして東南アジアの市場開発を進め、脱炭素化に向けたグリーン水素の生産基盤を域内で確立することを目指しています。
マレーシアでは、新たに「エネルギー移行ロードマップ」と「水素経済・技術ロードマップ」を発表し、2030年までに年間20万トンのグリーン水素を製造するという目標を掲げています。
Gentari Sdn. Bhd. のChief Hydrogen Officerは、このプロジェクトにより、目標達成に向けてマレーシアの水素経済の変化を加速させ、マレーシアを域内のグリーン水素ハブとして位置づけ、国や州の機関と協力しながら進めていくとコメントしました。
「事例②」インドネシアの規格外ココナッツを「持続可能な航空燃料(SAF)」に
インドネシアはココナッツの一大産地です。日本グリーン電力開発株式会社は、未成熟だったり芽が出てしまったりして、食用に適さない規格外のココナッツを調達して搾油し、日本国内で「ニートSAF」(バイオマス原料などから生成された純度100%のSAF:Sustainable Aviation Fuel=持続可能な航空燃料)を製造するサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
国際的に環境価値のあるSAF原料として認められるには、国連の専門機関のひとつである国際民間航空機関(ICAO)の「ポジティブリスト(原料分類表)」に登録されるなど、認証を取得した原料・技術から製造する必要があります。
この規格外ココナッツは、燃料としての利活用は進んでおらず、認証も想定されていませんでした。しかし、日本グリーン電力開発株式会社は、NEDOの「バイオジェット燃料生産技術開発事業」のなかで、2022年から規格外ココナッツの詳細な定義や選別システムの確立などから取り組みを始め、2024年3月、規格外ココナッツがICAOのポジティブリストに新たに登録されるに至りました。
AZECの枠組みは、東南アジア各国でも歓迎されています。首脳会合の際の現地報道を見ると、AZEC構想に大きな期待が寄せられていることがうかがえます。
今後も、日本はAZECでの取り組みを通じて、アジアの脱炭素化、世界の持続的な発展にパートナー国とともに貢献していきます!