ライフ空調システム 株式会社

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【アジアの脱炭素化を促進!「AZEC構想」(後編)日本企業の先進的な取り組み】

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今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。

【アジアの脱炭素化を促進!「AZEC構想」(後編)日本企業の先進的な取り組み】

高い経済成長を遂げるアジアにおいて、その成長を支えると同時に脱炭素化を目指す枠組みとして、2022年、日本は「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想」を提唱しました。

2023年12月にはパートナー国による初の首脳会合がおこなわれ、共同声明が採択されています。日本とAZEC参加国における政府、企業、金融機関の間では、MOU(協力覚書)をはじめ、350件以上の協力案件の進捗が確認されました。今回はその内容と具体的な取り組み例をご紹介します!

・日本とアジアの協力案件は350件以上

アジア各国の経済成長を支えると同時に、脱炭素化に向けて化石燃料からのエネルギートランジション(移行)を進めることを目的に、日本が提唱した「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想」。

2023年12月に開催された首脳会合では、脱炭素に向けた基本原則を確認するとともに、技術協力や政策策定の支援協力などさまざまな合意がなされ、「AZEC首脳共同声明」として採択されました。
・日本の先進技術を活かした協力案件
「事例①」マレーシアでグリーン水素製造プラントを建設
旭化成株式会社と日揮ホールディングス株式会社、マレーシア国営石油ガス会社Petroliam Nasional Bhd. (PETRONAS)の子会社Gentari Sdn. Bhd.の3社は、マレーシアで、再エネなどを使って製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた「グリーン水素」を年間8000トン製造するための60MW級アルカリ水電解システムの建設に向けて、MOUを締結しました。

この事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一部として運用されています。マレーシアでのグリーン水素の製造を通じて、日本とマレーシア、そして東南アジアの市場開発を進め、脱炭素化に向けたグリーン水素の生産基盤を域内で確立することを目指しています。

マレーシアでは、新たに「エネルギー移行ロードマップ」と「水素経済・技術ロードマップ」を発表し、2030年までに年間20万トンのグリーン水素を製造するという目標を掲げています。

Gentari Sdn. Bhd. のChief Hydrogen Officerは、このプロジェクトにより、目標達成に向けてマレーシアの水素経済の変化を加速させ、マレーシアを域内のグリーン水素ハブとして位置づけ、国や州の機関と協力しながら進めていくとコメントしました。

「事例②」インドネシアの規格外ココナッツを「持続可能な航空燃料(SAF)」に

インドネシアはココナッツの一大産地です。日本グリーン電力開発株式会社は、未成熟だったり芽が出てしまったりして、食用に適さない規格外のココナッツを調達して搾油し、日本国内で「ニートSAF」(バイオマス原料などから生成された純度100%のSAF:Sustainable Aviation Fuel=持続可能な航空燃料)を製造するサプライチェーンの構築に取り組んでいます。

国際的に環境価値のあるSAF原料として認められるには、国連の専門機関のひとつである国際民間航空機関(ICAO)の「ポジティブリスト(原料分類表)」に登録されるなど、認証を取得した原料・技術から製造する必要があります。

この規格外ココナッツは、燃料としての利活用は進んでおらず、認証も想定されていませんでした。しかし、日本グリーン電力開発株式会社は、NEDOの「バイオジェット燃料生産技術開発事業」のなかで、2022年から規格外ココナッツの詳細な定義や選別システムの確立などから取り組みを始め、2024年3月、規格外ココナッツがICAOのポジティブリストに新たに登録されるに至りました。

AZECの枠組みは、東南アジア各国でも歓迎されています。首脳会合の際の現地報道を見ると、AZEC構想に大きな期待が寄せられていることがうかがえます。

今後も、日本はAZECでの取り組みを通じて、アジアの脱炭素化、世界の持続的な発展にパートナー国とともに貢献していきます!

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【アジアの脱炭素化を促進!「AZEC構想」(前編)日本はなぜ、アジアと協力するの?】

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【アジアの脱炭素化を促進!「AZEC構想」(前編)日本はなぜ、アジアと協力するの?】

脱炭素化、経済成長、エネルギー安全保障を同時に実現することは世界全体の課題となっています。特にアジア各国は、経済成長にともない今後もエネルギーの需要が増加する中で、この課題解決は困難です。

そこで、各国の取り組みを支援し、協力するための枠組みとして、日本は2022年、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想」を提唱しました。2023年3月にパートナー国の閣僚と共に第1回閣僚会合が開催されAZECが協力枠組みとして立ち上げられたのち、2023年12月には首脳会合が開催されました。

急速な経済成長と安定的なエネルギー供給のバランスを取りながら、東南アジア諸国はどのように脱炭素化を進めていくのでしょうか?

① 脱炭素に向けた「基本原則」

経済成長が著しいアジア各国において、その経済成長を妨げないようにしつつ、低廉なエネルギーを安定的に供給するというエネルギー安全保障を実現し、同時に脱炭素化を目指すことを確認しました。

また国によって産業構造やエネルギー構成などの事情が異なることから、それらを踏まえた多様な道筋によるネットゼロ実現を目指すことの重要性を確認しました。

たとえば、東南アジアでは、島嶼部が多く、大陸部でもグリッド(送配電網)のカバー範囲が狭く、地域間の電力系統の連結性も低いという特徴があります。そのため、再生可能エネルギーと蓄電池など多様な供給力を組み合わせた離島向けのマイクログリッドや、設置場所の拡大が期待できるペロブスカイト太陽電池の導入などが検討されています。

また、電力・産業部門で水素・アンモニア、バイオマス、CCUSを活用、運輸部門でxEV、水素やe-fuel、バイオ燃料といった多様な技術を活用するなど、さまざまな方法が検討されています。

② 脱炭素技術分野での協力強化 、 製造業のサプライチェーングリーン化 、 トランジション・ファイナンスの推進

日本が持つさまざまな脱炭素技術は、活用に向けてすでに調査や議論が進められており、今後も継続して取り組んでいきます。一方、国際的な市場のグリーン化への期待の高まりを受け、環境に配慮した新たな製品・サービスをつくることが必須となっています。

日本も、インドネシア、ベトナム、タイなどをはじめ、東南アジアの多くの地域に工業団地を持っており、製造業のサプライチェーングリーン化を重要課題として取り組みを進めていきます。

また、脱炭素化社会の実現に向けては、着実な脱炭素化に向けた移行(トランジション)への取り組みに対する多額の資金供給(ファイナンス)が必要です。

そこで、温室効果ガス(GHG)削減の着実な取り組みをおこなう企業に対し、その取り組みを金融面から支援することを目的とした新しいファイナンス手法をアジアでも進めていくことを提起しました。

AZEC首脳会合では、こうした政府間の議論に加え、企業や政府、金融機関の間で、日本とAZEC各国での協力案件について68件のMOU(協力覚書)が発表されました。

首脳会合以前に進められてきた案件も含めると、その数は合計で350件以上にのぼります。これらは「AZECプログレスレポート」や「AZEC首脳会合に向けたMOU概要」としてまとめられ、経済産業省から発表されました。

後編では、アジアの脱炭素化に向けた具体的な協力の例をご紹介します!

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LNGの未来に向けて、安定供給や環境対応の取り組みを日本が主導

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火力発電に使用されるエネルギー資源のひとつである「LNG(液化天然ガス)」。LNGの安定供給を図るため、産出国と消費国が望ましい市場の姿を議論しようと2012年から毎年開催されているのが、「LNG産消会議」です。「エネこれ」でも毎回ご紹介していますが、2023年7月18日の「LNG産消会議2023」は、初めて、経済産業省と国際エネルギー機関(IEA)との共催として開催されました。背景には、LNG需要の高まりと共に、安定供給のためのルール整備や環境対応など、LNGに関する課題解決が喫緊のものとなっていることがあります。LNGのいまと課題、その解決のための取り組みを紹介します。

今回の会議の狙いのひとつは、IEAの天然ガス・LNG分野の機能強化に向けた議論を開始することです。日本は、2024年2月のIEA閣僚会議会合に向けて、以下のようなIEAの新しい機能に関する議論を始めることを提案しました。

① ガスの地下貯蔵
天然ガスを、気体の状態で地下に圧入・貯蔵する方法です。たとえば、枯渇したガス田には、ガスを圧入することができるため、貯蔵場所として活用することができます。枯渇ガス田が多く存在する欧州および米国で一般的におこなわれており、大規模で長期間の備蓄ができる一方、貯蔵可能な地域は限られます。

② 余剰LNG容量の確保

余剰なLNGの調達・貯蔵容量をあらかじめ確保しておくことで、需要と供給のバランスが崩れた緊急時に、バッファーとして機能させる方法です。LNG輸入国が活用できる方法で、通常時は、余剰分を市場取引すれば、コスト低減ができる可能性もあります。

③ 調達契約の柔軟な活用

柔軟な調達契約スキームを活用して、需要に合わせて調達量を増やす、あるいはLNGタンカーのスワップ(交換)などを可能にするといった方法です。現物を持っておくわけではないので、ガスまたはLNGを物理的に貯蔵する際に生じる技術的な課題を回避することができます。

またLNGは石油ほどには市場が大きくなく、取引に関与する企業や組織も少ないことから、ほぼ相対取引に近い状態となっています。しかし、流動性を高めていかなければ、マーケットが構築されず、価格も高いまま固定化されてしまいます。

その一方で、エネルギー資源の価格変動の幅(ボラティリティ)は拡大しており、エネルギー資源を調達しようとする民間企業にとっては、調達に必要な資金を機動的に確保できることがきわめて重要になっています。

さらに、民間企業が長期の調達契約を締結するにあたって、GHGを排出するLNG・天然ガスを「2050年カーボンニュートラル」目標に向けて、今後どのように利用していくかの整理も重要となってきています。そこで、短期的な取引を可能とする「トレーディング」のしくみがカギとなっています。このトレーディングは短期的な売買を繰り返す必要があるため、大きな資金を必要とします。

より多くの企業の参入をうながし、市場の流動性を高めるためには、こうした機動的な資金確保の必要があります。そこで、2023年3月、貿易保険事業をになう政府系金融機関・日本貿易保険(NEXI)が、制度改正をおこなうこととなりました。短期の銀行貸付枠に対する保険を提供する、あたらしい商品の開発です。この保険の登場により、企業のLNGトレーディングを支援しやすくなりました。

会議の成果物としては、議長サマリー「LNG Strategy for the World」が発表されました。各国から協力を得た上で、天然ガス・LNG市場のセキュリティ強化、クリーンなLNGバリューチェーン構築のための各国の政策発表などを、自主的なコミットメントとしてまとめたものです。

サマリーでは、天然ガス・LNGはエネルギーの移行を進めるにあたって重要な役割を果たすことが強調されました。また、IEAの機能強化についても、日本の自主的なコミットメントとして盛り込まれました。

これからも、LNGの安定供給を図るため、さまざまなしくみ作りを進めていきます。

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日本の多様な再エネ拡大策で、世界の「3倍」目標にも貢献

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今回は、「再エネ3倍」目標にも寄与する、日本の再エネ政策の最前線についてお伝えします。

【世界全体で「再エネ3倍」を目指す】

COP28の決定文書では、各国の状況が異なることをふまえ、パリ協定がさだめる「1.5℃目標」(サイト内リンクを開く「今さら聞けない『パリ協定』 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~」参照)に向けた道筋は各国ごとに異なることを考慮した上で、各国ごとに決められた方法で各分野に貢献することを求めると書かれています。

その貢献分野のひとつとして明記されたのが、「世界全体で再エネ発電容量を3倍、省エネ改善率を2倍にする」という目標です。さらに、COP28の議長国だったアラブ首長国連邦(UAE)およびEUが主導して、世界全体で再エネ設備容量を3倍、エネルギー効率改善率を2倍とする宣言を提案。有志国が賛意を示し、日本もこれに賛同しました。
2022年、化石エネルギー(石炭や石油など)中心の産業構造・社会構造からCO2を排出しないクリーンエネルギー中心に転換する「GX実現へ向けた基本方針」がまとめられましたが、再エネについてもこの基本方針を踏まえ、最大限の導入を図るべく、さまざまな取り組みが進められています。取り組みのいくつかを見ていきましょう。

【太陽光発電をさらに拡大していくために】
日本でもっとも導入が進んでいる再エネは太陽光です。しかし、平地の少ない日本では太陽光発電に適した場所はほとんどが開発済みとなっているため、さらなる拡大に向けては、あらゆる手段を講じていく必要があります。有望な設置場所としては、住宅・工場・倉庫といった建築物の屋根が考えられています。そこで、次のような推進施策がおこなわれています。

【風力発電次世代技術開発や、再エネの事業規律強化も】
ほかの再エネについても、支援がおこなわれています。たとえば、今後が期待される再エネのひとつである洋上風力発電については、海域を長期に渡って独占的に使用するための法整備などが2019年におこなわれ、日本各地で積極的に開発が進められています。2024年2月時点で、「促進区域」、「有望区域」などの指定・整理がなされている区域は、30ヶ所近くにおよび、事業者が決定している区域も8ヶ所あります。事業規模が大きい洋上風力は、経済波及効果も期待されています。

このように、再エネの拡大策をとっていく一方で、安全、防災、景観など、地域の懸念が課題となってきた例もあります。こうした懸念に適切に対応し、地域と共生しながら再エネの導入拡大を進めていくためには、再エネの事業規律を強化して、土地の開発から再エネ発電の廃止・廃棄まで、事業段階に応じた制度を充実させていく必要があります。制度の充実や手続きの厳格化などを通じ、地域と共生した再エネの最大限導入を進めていきます。

日本の再エネ導入拡大策は、次世代技術の開発などを通じてアジア圏での再エネ導入拡大にも寄与し、世界の「再エネ3倍」目標に大きく貢献することが期待されます。今後も、取り組みをさらに拡充していきます!

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日本の再エネ拡大の切り札、ペロブスカイト太陽電池とは? ~早期の社会実装を目指した取り組み(後編)

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2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、再生可能エネルギー拡大の切り札として注目を集めている「ペロブスカイト太陽電池」。前編では、その特性や技術開発の状況についてご紹介しました(サイト内リンクを開く「日本の再エネ拡大の切り札、ペロブスカイト太陽電池とは?(前編)~今までの太陽電池とどう違う?」参照)。今回は、海外での開発状況や日本企業の取り組み、そしてそれを後押しする政府の支援策などについて見ていきましょう!

~産業化に向けた取り組みを政府も後押し~

軽くて柔軟性に優れ、設置場所の大幅な拡大が期待できるペロブスカイト太陽電池は、製造工程が少なく低コスト化が見込める、主要材料であるヨウ素は日本が世界シェア第2位を占めるなど、将来性が期待できる技術です。政府も活用に向けた取り組みを後押ししており、「グリーンイノベーション(GI)基金」(令和2年度第3次補正予算にて国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構[NEDO]に造成した2兆円の基金)において、「次世代型太陽電池の開発プロジェクト」(498億円)を立ち上げ、2030年の社会実装を目指しています。

この支援を通じて、これまで複数の企業が製造技術の確立に向けた開発を進めてきました。

~早期の社会実装を目指して~

こうした研究開発の成果が実りつつある一方で、中国、英国、ポーランドなど海外でも開発が急速に進められており、量産化に向けた動きも見られるなど、競争が激化する状況にあります。日本が世界での競争に勝ち抜くためには、2030年を待たずして社会実装を実現することが必要です。

そこで、2023年8月には産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会グリーン電力の普及促進等分野ワーキンググループにて、早期社会実装に向けた追加的取り組みとして、開発事業の予算を150億円積み増し、648億円とすることなどを決定しました。今後は、基盤技術の開発事業、大型化や発電コストの向上などに向けた実用化事業、量産技術なども含めた実証事業などの拡充をはかっていきます。

ペロブスカイト太陽電池の産業化を確立するためには、量産技術をできるだけ早く確立すること、生産体制を早急に整備すること、そして需要を創出することが不可欠です。

ペロブスカイト太陽電池を早期に社会実装することを目指し、普及拡大に向けた量産化の国内製造サプライチェーンを構築するため、政府ではGX経済移行債を活用し、生産拠点整備のためのサプライチェーン構築を支援していく方針であり、GX実行会議でとりまとめた分野別投資戦略において、「生産拠点整備のためのサプライチェーン構築支援」という内容が盛り込まれました。また、令和6年度予算案には、水電解装置、浮体式洋上風力発電設備などと合わせて、ペロブスカイト太陽電池のサプライチェーン構築に向けて、令和6年度548億円、国庫債務負担行為を含め総額4,212億円の「GXサプライチェーン構築支援事業」が計上されています。

また今後、ペロブスカイト太陽電池を世界的に普及させるためには、その性能をどう評価するかという国際標準が必要です。2023年4月におこなわれた「G7気候・エネルギー・環境大臣会合(G7札幌)」では、合意文書に「ペロブスカイト太陽電池や浮体式洋上風力発電、波力発電などの革新的技術の開発や、新技術実装のための評価方法の国際標準化を国際協調のもとで推進する」という内容が盛り込まれました。

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日本の再エネ拡大の切り札、ペロブスカイト太陽電池とは? ~今までの太陽電池とどう違う?(前編)

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2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、再生可能エネルギー(再エネ)の拡大は必要不可欠です。そこで、再エネのさらなる導入のために、注目を集めているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。政府も技術開発に大きく力を入れているこの次世代型の太陽電池とはどのようなものか、2回に分けてご紹介します。

~太陽光発電をさらに拡大させるための有力候補~

太陽電池というと、黒い大型のパネルが広い土地にずらりと並べてある光景や、住宅の屋根などに設置されている風景を思い浮かべるのではないでしょうか。これらの多くは、「シリコン系太陽電池」と呼ばれるもので、発電層がシリコンでできています。現在、もっとも普及している太陽電池で、そのシェアは95%を占めています。

シリコン系の太陽電池は、耐久性に優れ、変換効率(照射された太陽光のエネルギーを電力に変換できる割合)も高いという特徴があります。しかし、太陽電池自体の重さや屋外で耐久性を持たせるためのガラスの重みによる重量があるため、設置場所が限られており、新たに太陽電池を設置できる適地が少なくなってきているのが懸念材料でした。下のグラフが示す通り、すでに日本は、平地面積当たりの太陽光発電の導入量が主要国で1位となっており、今後どのように設置場所を確保するかが課題となっています。

この懸念を解決する技術として、脚光を浴びているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。薄くて、軽く、柔軟であるなど、シリコン系太陽電池にはない特性から、これまでの技術では設置が難しかった場所にも導入できるものとして期待が高まっているのです。

~軽くて柔軟、主原料のヨウ素が日本で生産できる太陽電池~

では、シリコン系太陽電池と異なるその性質とはどのようなものでしょうか。

「ペロブスカイト」は、次のような形態の結晶構造を指します。ペロブスカイト太陽電池は、この構造を持つ化合物を発電層として用いるもので、さまざまな特長があります。
①     低コスト化が見込める

ペロブスカイト太陽電池は、材料をフィルムなどに塗布・印刷して作ることができます。
製造工程が少なく、大量生産ができるため、低コスト化が見込めます。

② 軽くて柔軟

シリコン系太陽電池が重くて厚みもあるのに対し、ペロブスカイト太陽電池は小さな結晶の集合体が膜になっているため、折り曲げやゆがみに強く、軽量化が可能です。

③ 主要材料は日本が世界シェア第2位

ペロブスカイト太陽電池の主な原料であるヨウ素は、日本の生産量が世界シェアの約3割を占めており、世界第2位です(第1位はチリで約6割)。そのため、サプライチェーンを他国に頼らずに安定して確保でき、経済安全保障の面でもメリットがあります。

このように、多くの利点を持つペロブスカイト太陽電池ですが、課題もあります。
それは、寿命が短く耐久性が低いこと、大面積化が難しいことです。また、変換効率の向上も課題です。近年では変換効率が向上するなど、シリコン系太陽電池に対抗し得るとして有望視されていますが、今後もさらなる向上が求められています。

近年は海外でも開発競争が激化していますが、日本は技術開発において世界最高水準に位置しており、製品化のカギを握る大型化や耐久性の分野でもリードしています。
後編では、海外の開発状況や、日本企業の取り組みなどについてご紹介します。

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【エネルギー危機の今、あらためて考えたい「エネルギー安全保障」】

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第1次オイルショックから約50年。2022年、世界はあらためてエネルギーの安定供給について考えることとなりました。エネルギー価格が高騰し、電気代やガス代の値上がりに困ったという声が、世界のあちこちであがっています。

今後もエネルギーを安定的に供給するために、どのような対策をおこなっているのでしょうか?今あらためて注目の集まる「エネルギー安全保障」について、皆で考えてみましょう!

・日本を取り巻くエネルギー情勢に変化

もし「2022年の印象的な出来事」を尋ねられたら、多くの人がロシアによるウクライナ侵略を挙げるでしょう。ウクライナではたくさんの民間人も犠牲となっており、激しい戦闘にいまだ終わりが見えないのは大変心苦しいことです。さらに、その影響は両国ばかりでなく、さまざまな形で世界の国々にもおよんでいます。

中でも深刻なのは「国際エネルギー市場の混乱」です。世界屈指のエネルギー大国であるロシアは、これまで多くの石油や天然ガス、石炭を国外に輸出していました。ところが、ウクライナ侵略以降、ロシアが天然資源の輸出量を絞り西側諸国に圧力を加えたことや、ウクライナ侵攻に対する制裁として西側諸国がロシア産資源の禁輸措置などをおこなったことで、国際的なエネルギー供給に大きな影響が生じたのです。

また、原油などエネルギーの産出国側にも変化が起きています。かつてエネルギーの輸入国だった米国は、いわゆる「シェール革命」により、今や生産量が輸入量を上回り、エネルギーの「輸出国」へと変化。こうした変化は、エネルギー産出国・中東へのエネルギー輸入依存度の低下をもたらしました。また、アフガニスタンからの撤退など、米国による中東への関与のありかたに変化が見られるとする報道もあり、エネルギーの多くをいまだ中東に依存している日本としては、このような変化は、エネルギー調達リスクを高める可能性があるといえるでしょう。

また、日本では近年、「電力自由化」が進められ、2016年には小売の全面自由化が実施されるなど、電力システム改革が進められてきました。昔は、各エリアの大手電力会社が需要家に一括で供給をおこなっていましたが、電力自由化でさまざまな新会社が電気事業に参入。利用者には多種多様な料金メニューが提供されるようになっています。

もうひとつの大きな変化は、再生可能エネルギーの拡大です。2012年には再エネで発電した電気を一定の価格で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」もスタートし、太陽光発電をはじめとした再エネの拡大を後押ししました。再エネは、主力エネルギーの1つとなることが期待されており、電源構成に占める再エネの割合は、2010年度の約9.5%から2020年度には約19.5%まで倍増するなど、導入が急速に進んでいます。

その結果、需要家である私たちの選択肢が拡大。また、電力の広域的な活用に必要な送配電網の整備が進みました。これにより、緊急時などにはより柔軟に地域間で電力を融通できるようになるといった成果が見られています。

このように、日本は国内外にエネルギーをめぐるさまざまな課題をかかえています。

たとえば、電気・ガスの事業者の間で液化天然ガス(LNG)を融通しあうための枠組みや、緊急時には都市ガスに使われているLNGを国が調達するようなしくみを整備するなど、LNGの安定供給に向けて取り組んでいます。

国際的なエネルギー資源の争奪戦が激化する中で、資源を安定的に確保するための取り組みも強化しています。アジア諸国と連携したLNG開発への投資や、危機が起こった時の協力などを検討するとともに、生産国への増産の働きかけも実施しています。

さらに、原子力発電所についても対策がおこなわれています。2011年に起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、日本各地の原子力発電所は、順次、安全対策のために運転を停止しました。現在(2023年3月時点)は10基が、新たな規制基準をクリアして再稼働しており、稼働をできる限り確保するため、安全対策のための工事期間の短縮や定期検査スケジュールの調整に努めています。

加えて、設置変更が許可されている、つまり新規制基準をクリアした7基に関しても、規制をクリアすることにとどまらない自主的な安全性の向上や地元の理解を得ることに向けて国が前面に立って対応することで、着実な再稼働を目指しています。

こうしたさまざまな努力が、エネルギー安全保障の確保につながり、停電の回避やエネルギー価格高騰の抑制に役立ちます。

しかし、これらの対策だけでは、中長期的なエネルギー安全保障を確保するのには十分ではありません。こうした状況を放置していれば、やがてはエネルギー危機が常態化するようなことにもなりかねません。

日本のエネルギー安全保障を確保するためには、いったいどのようなエネルギーのあり方が望ましいのか。再エネは、原子力発電は、どのように使われるべきなのか。私たち一人一人が考えていかなくてはならない課題です。

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【エネルギー危機の時代、原子力発電をどうする?】

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世界は今、エネルギー費用の高騰、資源量の低減と獲得競争など、これまでにないエネルギー危機におびやかされています。「エネルギー安全保障」の問題が各国で浮上する中、ふたたび注目が集まっているのが、原子力発電です。今回は、欧州を中心に起こっている原子力政策の変化とともに、その背景にある原子力発電の特徴を見ていきます。これを機に、みんなで原子力発電についてあらためて考えてみましょう。
新型コロナウイルス感染拡大からの経済活動の復帰などにより、原油や液化天然ガス(LNG)のニーズが急激に高まり、その価格は近年高騰していました。そこに、2022年、ウクライナ侵攻がぼっ発。ウクライナ情勢以降、ロシアが天然資源の輸出量を絞り、西側諸国に圧力を加えたことや、ウクライナ侵攻に対する制裁として、西側諸国がロシア産資源の禁輸措置などをおこなったことで、さらに価格が高騰しています。

原子力発電は、燃料を交換した後1年以上発電を継続させることができます。

さらに、現在日本国内に保有する燃料だけで数年は発電を維持することが可能です。そのため、原子力発電は「準国産エネルギー源」(IEAは原子力を国産エネルギーとして一次エネルギー自給率に含めており、我が国でもエネルギー基本計画で「準国産エネルギー」と位置付けている)と呼ばれ、エネルギー安全保障に重要な「エネルギー自給率」を高めることに寄与しています。

また、原子力発電の発電効率の高さは、運転コストが安価で変動も少ないという経済性の面からも、安全保障に貢献します。原油やガスの価格高騰を考えれば、なおさらです。加えて、国土あたりの平地面積の割合が少ない日本では、面積あたりの発電効率が高いので、一定量の電気をつくるのに必要な面積を抑えられるメリットがあります。

日本では、2月10日、グリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けた基本方針が閣議決定されました。その中で、原子力については、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省と教訓を一時たりとも忘れることなく、安全性を大前提にエネルギー基本計画を踏まえて原子力を活用していくことが表明され、①安全を前提としたうえでの再稼働の推進、②運転期間の延長、③次世代革新炉の開発・建設、④バックエンド問題への進展に向けた取り組みなどの方針が示されました。

現在のエネルギー安全保障は、オイルショックが起こった時代とは大きく変わり、環境政策や、さまざまなエネルギー資源および産業と密接にリンクしています。こうした中で、私たちは、安全保障と環境政策における利点を持つ原子力発電をどのように取り扱うべきなのか、考える時が来ています。

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【CO2からサステナブルなプラスチックができる?!】

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地球温暖化の一因として、いまやすっかりやっかいものの代名詞のようになっているCO2。削減しようという取り組みはよく聞きますが、むしろCO2を積極的に有効活用する方法はないの?そうすれば、「脱炭素化社会」の実現もより加速するはず!そこで、CO2を使うことで役立つモノを生み出そうという研究が進められています。生み出そうとしているのは、ずばり、プラスチックの原料。そんな夢物語にも聞こえる研究が、ここ日本で、実用化に向け一歩ずつ動き出しているのです。

・太陽と水とCO2から、プラスチックができる!

人工光合成では、まず「光触媒」と呼ばれる、太陽光に反応する物質を使って、水(H2O)を水素(H2)と酸素(O2)に分解します。ただし、ここではまだ、水素と酸素は混合している状態です。

次に、水素のみが通過できる「分離膜」を使って、水素と酸素を分離し、水素を取り出します。最後に、この水素と、工場などから排出されたCO2とを合わせ、化学合成をうながす「合成触媒」を使って、「オレフィン」を作ります。

このように人工光合成では、「光触媒」「分離膜」「合成触媒」の3つの技術が重要な役割をはたします。特に触媒は、いかに効率的に水素を取り出せるか、いかに効率的に化学合成物を生み出せるかの決め手になる技術。日本はこの触媒技術で国際的に強みをもっていることから、人工光合成の実現に期待がかかっています。

たとえばレジ袋やラップはオレフィンの一種である「エチレン」から、ストローや医療機器は同じくオレフィンの一種「プロピレン」から作られています。そのほかにも、食品トレイやペットボトルなどもプラスチックからつくられています。これだけ生活に身近にあるプラスチック製品に、排出されたCO2が使われるようになるとしたら!どれだけのCO2削減につながるのか、考えただけでもワクワクしますね。

・人工光合成なら、プラスチックをつくる時のCO2も削減できる!

CO2の削減以外にも、人工光合成には次のようなメリットもあります。プラスチックは、オレフィンを含む「基礎化学品」と呼ばれる素材からつくられています。この「基礎化学品」は、化石資源である石油から得られる「ナフサ」という石油製品の一種を熱分解して製造されているため、人工光合成が実現すれば、化石資源の使用量が減り、結果として全体のCO2排出量削減につながる可能性もあるのです。

このように多くのCO2を排出しているプラスチック製造において、人工光合成を実現することができれば、「すでに排出されたCO2を資源として活用する」かつ「太陽光という再生可能エネルギーを使い、非化石資源を原料とすることで、これまでのプラスチック製造方法と比べてCO2排出量を大幅に減らせる」という一石二鳥の効果が生まれます。

最後に、人工光合成がいかにサステナブルな技術であるか、ポイントをまとめておきましょう。

①人工光合成は再生可能エネルギーである「太陽エネルギー」を使う

②この再生可能エネルギーを使って、製造過程でCO2を排出しない「グリーン水素」と呼ばれる水素をつくる

③排出されたCO2を資源として積極的に活用する=カーボンリサイクル技術のひとつ

④これまでのプラスチック製造方法とは異なり、排出されるCO2が大幅削減できる

⑤化石資源を使わないため、原料がなくなる心配をせずに製造し続けることができる

このように、人工光合成が実現すれば、環境負荷が少なくサステナブルなプラスチックが誕生することになります。プラスチック原料の石油を輸入に頼っている日本としては、原料供給に不安がなくなるのもうれしいポイントです。さまざまな面からみて、人工光合成は実現が待ちどおしい技術なのです。

『 【CO2からサステナブルなプラスチックができる?!】 』 投稿日: 作成者: admin

【「安全な原子力発電」の追求にこそ必要な、技術継承と新型への挑戦】

お世話になります。

ライフ空調システム株式会社です。

今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。

いま、世界各国は、脱炭素化とエネルギー危機への対応という、2つの重要課題への取り組みを求められています。

そこでふたたび世界で注目が集まっているのが、運転中に温室効果ガスを排出せず、かつ準国産エネルギーと見なされている原子力発電です。

原子力技術は、安全確保を大前提としながら、2050年カーボンニュートラルとエネルギー安定供給の両立に向け、どのように進化しつつあるのでしょうか。

また、世界では新型炉の研究も活発化する中で、日本の原子力産業は今どのような状況にあるのでしょうか?

東日本大震災にともなって起こった東京電力福島第一原発の事故以降、日本の原子力プロジェクトは停滞傾向にあります。その影響で、原発の中枢技術を持つ企業が、原子力分野から撤退する事例が出はじめています。

また、事業を続けている企業においても、原子力関連業務に従事する従業員数は減少しています。特に、大型設備の製造時に必要な溶接工や組立工、機械工などの高い技術を持つ技能職の従事者数は大きく減っています。

また、世界では、新しい原子炉の開発も進んでいます。新しい原子炉は、従来のものより多重な安全対策が施されていることはもちろん、さまざまな付加価値が生み出せるものもあります。日本の原子力産業も、こうした発展を追いかけていかなくてはなりません。

このような中で、原子力技術の継承と次世代の育成は、日本の取り組むべき大きな課題となっています。

世界の多くのメーカーで開発が進む新しい炉は「次世代革新炉」と呼ばれ、たとえば以下のような種類があります。

① 革新軽水炉

現在普及している「軽水炉」をベースに、新しい技術を導入した新型炉です。地震や津波などの自然災害へのレジリエンス向上や、テロ対策などの安全性向上が追求されています。また、万が一「メルトダウン」が起こったとしても、放射性物質を発電所敷地内にとどめることができる設計も取り入れられています。

② 高速炉

原子炉の冷却に、水ではなくナトリウムを使用する原子炉です。万が一の際には自然に止まる・炉心を冷やす・溶けた燃料を閉じ込めるといった機能を持ちます。また、従来の原子炉とくらべて廃棄物の量が減り、有害度も低減されます。さらに、ウラン資源を有効活用できるという長所もあります。

③  高温ガス炉

この原子炉の最大の特長は、発電と同時に950℃もの熱エネルギーを得られること。この熱を活用すれば、「水素」を製造できます。つまり、2種類のクリーンエネルギーを生み出すことができるのです。また、原子炉の冷却にヘリウムを使うので原理的に水素爆発をしない、万が一冷却材を失っても温度が上がりすぎない、きわめて燃料が溶けづらい構造になっているという特長もあります。

このように、日本の原子力業界は、原子力の安全性の向上を目指し、高い技術力の維持と、新技術の開発に取り組んでいます。

近年では、次世代革新炉に取り組む世界各国との共同開発なども進められています。

たとえば、ビル・ゲイツ氏が会長をつとめる米国のTerraPower社は高速炉の開発を進めていますが、

同社は高速炉「もんじゅ」の建設・運転でつちかった日本のノウハウに着目。

2022年1月、原子力研究開発機構(JAEA)と三菱重工業株式会社、三菱FBRシステムズとの間で協力に向けた取り決めを結びました。

ほかにも、米国やカナダ、ポーランドとの間で、原子力サプライチェーンの構築や研究開発分野での協力が加速しています。

また、今後は国としても原子力サプライチェーンへの支援体制を強化していく予定です。

高専・大学と協力した原子力関係人材の育成や、事業継承支援、海外プロジェクトへの参画支援など、多角的な対策が講じられます。

原子力技術を維持し、新しい技術も取り入れてさらなる安全性を追求できるように、これからもさまざまな取り組みがおこなわれる予定です。

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【LPガス料金に影響?訴訟になるリスクも?知っておきたい、「LPガス」の商慣行】

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今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。

「LPガス(液化石油ガス)」には、ガスボンベに充てんすれば山間部や離島などにも運ぶことができる、利用者のすぐそばに分散して設置されていることから災害に強いといったメリットがあります(「災害に強い分散型エネルギー、LPガスの利活用」参照)。ただ、このLPガスには、昔からのちょっと気になる商慣行が存在しているのです。今回は、あなたのガス料金にも影響を与えているかもしれないLPガスの商慣行と、改善に向けた動きについてご紹介します!

LPガスを販売するLPガス事業者は、全国で1万6381者も存在しており、非常に多いことがわかります。かつて、LPガス事業者は他社との競争に勝とうと、アパートやマンションといった賃貸集合住宅のオーナーにガス給湯器やガスコンロを無償で提供し、ガス供給契約を獲得するという手法をとっていました。これが始まりとなって、さまざまな「無償貸与」がオーナーに対しておこなわれることが、LPガス事業における商慣行となっています。

この無償貸与サービスが行き過ぎた結果、私たち消費者にも、LPガス事業者にも問題が生じています。

①LPガス事業者が多くのモノを費用負担して提供し、その費用をLPガス料金に上乗せした場合、その物件のLPガス料金が高くなってしまいます。賃貸集合住宅の場合、消費者は入居してからLPガスの料金を知ることが多い上、料金に不満があっても受け入れるしかない状況となってしまいます。これでは、消費者には選択の機会が事実上あたえられません。

②さまざまな製品の費用負担ができないLPガス事業者は、オーナーからガス供給契約を断られるという圧力がかかるようになっています。ガス料金そのものではなく、無償貸与されるモノが多いか・高額かといった点でガス供給契約が決まり、それが消費者の利益につながらない…という“ゆがみ”が発生しているのです。

こうした状況を改善するべく、さまざまな対策がとられています。たとえば、入居前にLPガス料金情報を入居者に示そうという取り組みです。2021年に経済産業省と国土交通省から関係業界に協力を依頼。業界が連携して取り組みを進めています。

こうした「無償貸与」や「貸付配管」という商慣行から起こっている問題を解決するべく、「総合資源エネルギー調査会」に設置された「液化石油ガス流通ワーキンググループ」において、現在、商慣行の改革に向けた取り組みを議論しています。

2023年7月には、リストアイコン いわゆる「無償貸与」など、顧客獲得のための過大な営業行為は、消費者の不利益につながるため制限するリストアイコン LPガス料金に含まれる設備費用を外出し表示した上で、ガス消費とは関係のない設備の費用をLPガス料金として請求することを禁止することで、LPガス料金の適正化・透明化を図るリストアイコン賃貸住宅への入居前に、入居希望者たる消費者にLPガス料金情報を提示するなどの制度改正案が示され、2024年2月9日からこの案を示した中間とりまとめなどがパブリックコメントにかけられています。

長く続いてきた商慣行をどのように変えていくのか?
LPガス料金の透明性は高くなるのか?!今後のニュースに注目です!

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【省エネ・BCP・災害対策の業界動向】

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今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。

地質調査業の近年の動向

日本における地質調査業は、1945年以降の戦後復興とそれに続く国土基盤のための社会資本整備が進む中で、土木・建築分野における土質力学の積極的な導入と相まって発展してきました。

さらに1960年代初頭から東京オリンピックの開催を控え、全国的に社会資本整備が急激に進み、高速道路網の整備、東海道新幹線建設、ダム建設などが全国的に進められ、その後に継続する日本の高度経済成長期に地質調査業はより活性化しました。

地質調査業の総受注額は高度経済成長期から概ね右肩上がりで増加しています。

しかしながら、受注額は1995年を境にそれ以降減少を続けています。

このことから分かるように、地質調査業は戦後の復興から形成し、高度経済成長期に拡大・確立したビジネススタイルの転換期を迎えています。

近年の地質調査業は、取り巻く環境の変化に対応したビジネススタイルへの修正、変換あるいは大幅な改革が求められている段階であるといえます。

地質調査業を取り巻く環境の変化は大きく分けて三つ存在します。

まずは、1995年以前典型的なビジネスモデルであった建設投資市場の護送船団方式が終焉し、規制緩和による各社の競争が激化していることが挙げられます。

二つ目としては情報技術の飛躍的な進歩によって、情報伝達の高速化と大容量化がそれまでの地質調査業の業務形態を大きく変化させたこと。

さらに三つ目として、2011 年に発生した東日本大震災によって、地盤に対する国民意識が大きく変わったことです。

大地震によって住宅(地)が地盤沈下・液状化現象を起こし、そのことによって地盤への関心と不安視が増大しました。

この三つの変化を捉えた枠組みで新たなビジネススタイルを考えることが大切であり、特に地盤についての防災・減災・維持保全管理などの新たな国民ニーズに対応した地質調査業のビジネススタイルを構築することが肝要であるといえます。

また、地質調査業を支える技術は大きく二つあり、その二つが緊密に連携することによって成立しています。

一つは、地盤状況をより忠実に把握するためのサンプリング・試験・探査などの旧来からあった標準的な技術です。

もう一つは、地盤の状態を詳細に理解するために、必要不可欠な最新の機器設備を駆使した工学的な技術等です。

地質調査業は、見えない地盤の状況を可視化(状態を判断する)できる唯一の業種であることから、新たなビジネススタイルの構築によって、さらに社会と国民からの要望が増大することが予想されます。

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【LPガスの契約を透明化!私たちにも影響する、法制度改正の中身とは?!】

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前回のブログでご紹介したように、LPガスには昔から続いている商慣行があり、これを背景として、消費者が不利益をこうむっている現状があります。LPガス業界と不動産業界の連携により、賃貸住宅に入居する前の消費者へのLPガス料金情報の開示など、いくつかの対応策がとられているものの、制度改正をおこなうことで商慣行そのものの見直しを図ろうと、「液化石油ガス流通ワーキンググループ」での議論がおこなわれています。今回は、LPガスの商慣行を是正するため進められている制度改正の概要をご紹介しましょう。

・LPガス商慣行通報フォームなど、監視・通報体制の整備

まず、監視・通報体制の整備をおこないます。これに先がけて、2023年12月1日には、資源エネルギー庁ホームページに、匿名による投稿も可能な通報フォームが開設されました。これは、改正法令施行前に駆け込み的な営業行為がおこなわれていることを懸念する声が寄せられたことを踏まえたものです。ここで寄せられた情報も参考にしながら、施行後の監視体制を構築します。なお、情報提供者が不利益をこうむることのないよう、情報管理を徹底します。

・国土交通省と連携した改正制度の周知徹底

Pガスの商慣行は、LPガス事業者と不動産関係者・建設業者との取引関係に起因するものです。このため、「過大な営業行為の制限」や「三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)」について、LPガス事業者のみならず、取引先である不動産関係者・建設業者に対しても、制度改正の周知徹底を図ります。

「LPガス料金などの情報提供」については、これまでも、入居後におけるLPガス料金を巡るトラブル防止のため、令和3(2021)年6月、経済産業省・国土交通省から、関係業界に対し、入居希望者へのLPガス料金の情報提供を依頼する通知を発出するなどの取り組みを実施してきています。転居などが増える3月よりも前を目途として、経済産業省・国土交通省が連携して、業界団体宛てに改めて周知を行います。

・業界による自主的な取り組みの推進

商慣行是正を更に推し進めていく取り組みとして、各LPガス事業者みずからが改正制度を順守することを宣言する「商慣行見直しに向けた取り組み宣言」についても議論されています。宣言は資源エネルギー庁が集約してホームページで公表することで、宣言済みの事業者であるかどうか消費者が確認できるようにします。

・改正法令施行後の取り組み

今回の改正案は罰則などの対象となります。違反の疑いがあった場合は立ち入り検査を実施。三部料金制やLPガス料金などの情報提供に関しては、通常の立ち入り検査時に実施状況を確認します。また、違反があった場合、登録抹消や罰金を科すといった処置をおこないます。

あわせて、施行前から施行後にかけて、LP事業者に対するフォローアップ調査も実施します。

・効果検証も実施

施行後には、公開モニタリングで効果検証も実施します。通報フォームから集約した内容や、「商慣行見直しに向けた取り組み宣言」の取り組み状況、大手事業者の商慣行是正に向けた取り組み状況の公開ヒアリング、フォローアップ調査の結果などを確認・議論し、改善へとつないでいきます。

また、改正法令の実効性を確保していく上では、不動産業界といった関係者による対応も必要となるため、国土交通省をはじめとした関係各省との連携が必要であるという指摘も多数なされています。そこで、国土交通省も協力し、2023年11月以降、不動産関係団体向けの説明会を順次実施しています。一方、消費者向けの説明も必要となるため、消費者庁と連携した取り組みも予定されています。さらに、LPガス事業者による競争を健全なものとし、消費者利益を確保するため、公正取引委員会とも連携して今後の市場監視・モニタリングにあたります。

転居などで新しいLPガス販売契約が増える春。制度を改正し、事業者や消費者向けに周知を徹底することで、LPガスの取引をめぐるトラブルの発生を防ぎ、消費者を守るしくみづくりを進めていきます。

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【資源エネルギー庁がお答えします!】

お世話になります。

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今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策に
ついて考えていきたいと思います。

ここ数年で、あっというまに普及した再生可能エネルギー。
日本でも再生可能エネルギーをもっと使っていくためには、
どんな課題を解決していく
必要があるのでしょうか。

まず、再エネには、ほかの電源よりも発電コストが高いという
問題があります。世界には、自然の条件に恵まれていて多くの
電気を発電できる、機器の調達や工事を効率的におこなっている、
労働力の単価が低いなどの理由から、
再エネの発電コストを安くおさえることのできている国もあります。

再エネをさらに普及させていくためには、こうした現実に向き合い、
少しずつでも発電コストを下げていく工夫をする必要があります。
そこで、欧米のコストを踏まえて、2030年に目指すべき発電コストの
目標を設定し、それに向けて、毎年、もっともコストの低減に
成功している“トップランナー”にあわせて、
FIT制度の買取価格を少しずつ引き下げていくという取り組みが
おこなわれています。

さらに、メーカーや発電事業者に競争してもらうことでさらなる
コスト削減を促そうと、「入札制度」を導入するなどの取り組みも
進められています。
この他にも、再エネよりも原子力の出力を先に制御すれば、
再エネの出力を制御する必要がなくなるのではとのご指摘を受けます。

優先給電ルールでは、太陽光や風力よりも後、つまり最後に出力を
制御するものとして、地熱や水力、原子力といった「長期固定電源」を
定めています。これらの「長期固定電源」は、太陽光や風力と
同じく発電時にCO2を排出しないという利点に加えて、
長期にわたり安定的に運転を行うことで高いコスト競争力を
発揮するという特性を持っているからです。

また、これらの電源は一般的に、短時間で出力を上げ下げすることが
技術的に困難という特性があり、仮に停止した場合、
再度運転させるまでに時間がかかります。そのため、
運転を再開するまでの間の電力需要を満たすためには、
すぐに運転を再開できる火力で埋め合わせることとなり、
結果としてコストやCO2排出量の増加につながってしまいます。

再エネは単体では発電時にCO2を排出しない、
エネルギー自給率を向上させるなど、さまざまなメリットのある電源です。
原発への依存度を下げるためにも、
再エネを最大限に導入していくことが求められます。

一方で、エネルギーにとって重要な「3E+S」、「安全性」と
「エネルギーの安全保障・経済効率性の向上・環境への適合」を
実現するためには、多様な電源構成を維持することもまた大切です。
再エネも、「海外と比べてコストが高い」という問題を克服しつつ、
「出力コントロールが難しい」などの弱点を補うことのできる
別の電源と組み合わせて、バランスよく使用していくことが
必要となるのです。

『 【資源エネルギー庁がお答えします!】 』 投稿日: 作成者: admin

【アンモニアが“燃料”になる?!(後編)】

お世話になります。

ライフ空調システム株式会社です。

今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。

昔ながらの肥料としての利用にとどまらず、次世代エネルギーとしての大きな可能性が期待されているアンモニア。後編では、燃料として利用する際の技術や、課題とされる安定供給への取り組みについてご紹介しましょう。

①    CO2削減に役立つアンモニアの火力発電への混焼は大規模実証へ

燃料としてのアンモニアは、「燃焼時にCO2を排出しない」という特性から、CO2排出量削減に役立つ可能性がある次世代エネルギーとして、近年になって注目を集めるようになりました。期待されている用途は、発電分野から、工場などで利用する産業分野、輸送分野まで幅広いものです。

アンモニアは肥料などの用途ですでに世界中で広く使われていることから、既存の製造・輸送・貯蔵技術を活用したインフラ整備が可能で、安全対策も確立されています。火力発電のボイラーにアンモニアを混焼する場合にも、バーナーなどを変えるだけで対応できるため、既存の設備を利用することができ、新たな整備や初期投資を最小限に抑えながらCO2排出を削減することができます。

②    アンモニアを燃やしてガスタービン発電に利用

石炭火力のボイラーで混焼する以外にも、燃料アンモニアはさまざまな活用法が検討されています。ひとつは、アンモニアを直接燃焼させてガスタービン発電に使う方法です。以前は燃焼効率に課題がありましたが、近年は東北大学や産業技術総合研究所、トヨタエナジーソリューションズ、IHIといった組織がそれぞれ技術開発に取り組んでいます。

ガスタービン発電では、液化天然ガス(LNG)などの燃料を燃やした際に発生する高温・高圧ガスでタービンを回し、電気をつくります。このように、石炭火力発電の場合と同じように、LNGなどの燃料とアンモニアを混焼して使う方法も考えられており、現在は50~2,000kW級の中⼩規模ガスタービンで研究開発がなされています。また、燃料アンモニアだけを燃やして発電する専焼技術についても研究開発が始まっています。

さらに、数10万kW級の大型ガスタービンでは、液体アンモニアをガスタービンの排熱で水素と窒素に分解し、ガスタービンで燃焼して発電するという研究開発も進んでいます。もし大型ガスタービンでのアンモニア燃焼の研究が進み、55万kW級のガスタービンでアンモニアを燃料として発電することに成功すれば、一基につき年間で110万トンのCO2排出削減効果があるとされています。

現在はサウジアラビアから燃料アンモニアを輸送する実験的な取り組みも始まっており、今後はアメリカや中東、オーストラリアなど世界各地で新たに生産し、輸入することも考えられています。日本がいち早く安定的なサプライチェーン構築に取り組み、アジアを中心にアンモニア燃焼の技術を展開することで、世界の燃料アンモニアのマーケットをリードすることが期待されます。

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