お世話になります。
ライフ空調システム株式会社です。
今回のブログも建設業での省エネ・BCP対策の観点から地盤対策について考えていきたいと思います。
「アンモニア」といえば、思い浮かぶのは「刺激臭のある有毒物質」というイメージでしょう。昔から畑の肥料として利用されてきたことを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、実はアンモニアには、肥料にとどまらない、次世代エネルギーとしての大きな可能性が秘められているのです。燃料としての可能性にも注目が集まるアンモニアについて、前・後編に分けてご紹介しましょう。まずは、あまり知られていないアンモニアの基礎知識を見ていきましょう!
① 「肥料」や「化学製品の基礎材料」として利用されるアンモニア
アンモニアは常温常圧では無色透明の気体です。みなさんも知っている通り、特有の強い刺激臭があって、毒性があるために「劇物」に指定されています。
アンモニアは、火力発電所が排出する煤(スス)に含まれる、大気汚染物質「窒素酸化物(NOx)」の対策にも利用されています。NOxにアンモニアを結びつけることで化学反応を起こし、窒素(N2)と水(H2O)に還元する「還元剤」として利用するのです。
さらに、アンモニアは化学製品の基礎材料としても利用されています。世界全体でのアンモニアの用途は、その約8割が肥料として消費されていますが、残りの2割は工業用で、メラミン樹脂や合成繊維のナイロンなどの原料となります。世界の人口は現在も増え続けているため、食料確保の必要性から考えても、農産物の肥料として利用されるアンモニアの重要性は今後も変わらないだろうと考えられます。
このように、アンモニアはすでにさまざまな用途で利用されており、その中で、安全に運搬する技術が確立されました。陸上ではパイプラインやタンクローリーで運ばれ、海上輸送にはタンカーが用いられます。安全性に対するガイドラインも整備されています。
アンモニアは、私たちが想像する以上にいろいろなところで生活を支えている物質なのです。
一方で、アンモニアを燃料として活用するには課題もあります。
それは、アンモニアの安定的な量の確保です。国内すべての石炭火力で20%混焼をおこなうには、約2000万トンのアンモニアが必要となりますが、これは現在の世界のアンモニア輸出入量とほぼ同じ量です。
これから混焼をおこなう石炭火力発電が増えたり、混焼率が高まったり、専焼が始まったりすることによって、発電分野でのアンモニア利用が増えると、現在の世界の生産量では足りなくなることが見込まれます。供給が不足すれば価格が高騰し、肥料の市場にも影響をあたえることになるため、対策が必要となります。
後編では、将来に向けて期待される燃料としてのアンモニア利用について、その方法や課題への対策などをお伝えします。